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2005年2月20日の1件の記事

2005.02.20

「不安のファン」2月20日

 のっけから自分をカミングアウトしてしまうと、僕は元々、強烈なほどの不安症である。それはもはや病気とか傾向とかいうレベルではなく、不安を愛しているというか、寝ても醒めても不安だらけ、熱烈な不安のファンだったといってもいいくらいだ。

 猫も歩かぬ西中島の日曜の昼下がり。いつものようにテラスでタバコを吸っていると、ふと眼下に見えたのが近所の某大手企業に群がるリクルート諸君たち。ずらりと新調したてのスーツを着た男女100名くらいの若者たちが
きれいにちゃんと整列しているではないか。
 おぅ、春の新卒たちか、と思いつつタバコをくゆらせていると、ふと昔の不安ファンクラブ時代の自分を思い出してしまった。

 僕は小学生時代は国語の授業中に教科書を読めないほどの怖がりだった。足は震え、声は裏返り、顔はタコみたく紅潮してしまう。何に恐れているのか自分でもわからぬほど怖がりで、いじめっ子たちがいじめの対象にしない
くらいの虚弱体質であった。
 その異様なまでの怖がりの自分を僕はとても嫌っていて、これでは生きていけない!と思うがあまり、小学5年のときからなぜか水泳に目覚めてしまう。たぶん、スポーツで身体を鍛えれば、少しは強くなれると思ったのだろう。

 しかし、これも毎日ちゃんと続けることが出来ない。なぜならば、上手く泳げない自分がこれまた大嫌いで、鼻をたらしたり、水が気管に詰まってむせたり、また皆と仲良く打ち解けられない閉塞的な性格もあって、登校中に
いきなり泣き出して家に帰ってきてしまったことも多々ある。

 結局、中学に入ってから超がんばるわけだが、その不安ファンクラブ的コンプレックスは年々思春期と共に屈曲しだし、高校時代は不良風のスタイルまでとってしまった。もちろん、人を殴ったり、ほんまもんの不良が向うから歩いてくると、気持ち悪いくらいニコニコ顔になってりして、真の不良なんてなれるわけがない。せいぜい、その辺の野良犬か、か弱い女の子に威張りくさっていただけである。
 後に一応は大人になったものの、その不安のファンから本当の意味では抜け出せておらず、就職試験を受けて入った自動車の整備士も3ヶ月で辞め、その後色んなバイトをするが、その半分は1~2ヶ月で自然欠勤~退職の道
をとってしまった。

 今、自分の目の前に、今時の若者は~~~と色々と口撃の対象になる若者たちが山ほどいる。でも、この若者たちはそんなに今の時代が言うほど病んでいるのだろうか、と思えてならない。逃げ出すとか、引っ込み思案、とか
そんなレベルにさえもなかったヒヨワな自分からみれば、こうやって見知らぬ慣れぬ大企業にスーツを着て面接に来ているだけで、根性もあるし、勇気もあるし、自分の人生に前向きに見えてしまうのだ。
 僕などは弱すぎるがあまり、この世から脱界することもままならず、とにかく自分を表現していける世界をつくる絶対的必要性があって、一人でコツコツとバーをやったり、カレー屋をやったり、ライターをやったりして何とか生きる活路を開いてきたわけである。

 昔も今も、みんな凄いと思うのである。僕からすれば、学生時代に苛められたヤツはまだいいのである。僕みたいに誰も苛めてもくれなかったほどの弱いヤツからすれば、それはある意味、市民権を得ているとも見えるからだ。

 あれからずいぶんの長い年月が経った。今は自分のみならず、周辺の殆どの人間が、強く見えるような人間でさえも、本音を言えば不安だらけで生きてきたということを知った。だからといって今が生きやすいわけではないが、それでも皆も頑張っていることを知ると、なんだかやる気がでてくるものである。
 今でも僕は不安の熱狂的なファンだと思う。だから小さくても一所懸命、自分の仕事を開発することを止めない。

 眼下に見える、そこの今時の若者たちよ、君らは少なくとも僕なんかよりもごっつぅ偉い!
 は?僕ですか?僕はその・・・無名な単なる、そう超B級ライターですがな。

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