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2005年4月7日の1件の記事

2005.04.07

「故郷といえる町」4月7日

 人はみんな故郷をもっている?そして、もっていたらいくつある?
僕は大阪で生まれ育っているが、この町を故郷と想えたことは一度もない。これは不幸か、常識的な範疇か、よくわからないが、しみじみと、切なく、望郷の念を抱いたことが一回もないのが事実である。

 一方、生まれ育ったわけでもないのに、故郷と思える町が大阪以外にある。しかも、3つ。普段、人との会話の中では、一応大阪生まれなので、第一を置いておいて第2以降で言う。それは三重県の松阪市だ。
 1998年に急きょ大阪を放れ松阪へ転居。そして100万円で6坪のインド定食屋を開業しおよそ2年半、トータルで3年ほど暮らす。大阪の友人とは比較にならないほど、深く、正直に、でいて距離感もおきつつ付き合っていける友が5~6人はいる。

 そして以前までは、第3の故郷と呼んでいたが、ここ数ヶ月、これが第2の故郷で松阪が第3であることに気づいた町に箕面がある。これは大阪府であるが、東京で言えば町田や八王子のように都心から距離があって、すなわち中心部とは一線を画した特有の文化をもっているので、間違っても大阪とは呼べないし、そもそも呼びたくない。
 歴史的に言えば明治の森国定公園として、東京の高尾山と同時に国の指定をうけた都心に最も近い自然森林地帯なわけで、決して都会ではないし、かといって田舎と呼べるほど天然力に富んだところでもない。
 現実的にはベッドタウン。郊外の中の郊外で、せいぜい取り柄といえば日本でトップクラスの金持ちの町である。ただ、僕はここに住んだわけではない。生まれて初めて独立開業を果たした地。25歳でバーを開業したのが箕面であった。周囲の人々は僕を金持ちと囁いたが、実際はクレジットカードの審査も通らないような環境の持ち主。なかなかスムースに人生を切り開けない僕に、とある不動産業者が救いの手をくれたことで開業にこぎつけたのだった。
 この店でも本当に色々あった。普通に酔っ払って女遊びにして、妊娠事件や乱闘が起こるくらいならまだしも(普通ではないか)、僕が身体を壊して入院したり、店が火事になってしまったり、命がいくつあっても足らないような出来事がいくつもあった。

 そして第4の故郷であるが、それは東京・築地である。ここも相当に思い出深い。その当時、僕は足立区に住んでいたが日比谷線に乗って毎朝出勤。それも長靴姿で。そう、僕は魚河岸でも働いていたのだ。本当、眠い毎日だった。ただただ、途中乗り降りしてくる綺麗なネーちゃんと、帰りの晴海どおりですれ違うネーちゃんの匂いを嗅ぐのが楽しくて過ごしていた。
 魚の捌き方からある程度の目利き、また東京の街をあちこち配達で走り回り、一流ホテルのコックなどとも交流することが出来た。ただし、これは真の姿ではなく本当は「夢のレストラン計画」というのがあって、色んな事情でこれがボツとなる。
 結婚を約束していた大阪の彼女にもふられ、これもまた辛いことのほうがはるかに多い。

 だけど、不思議なものである。辛いことが多いのに、そんな町ほど思い出に深く刻まれるのである。さらに様々なトライや冒険の体験が魂にまでインプットされてしまうので、いつぞや故郷と想うようにさえなる。

 故郷というものに不満があるとすれば、一番長く住んでいる大阪にだけは望郷心がわかないということくらいだ。

 明日、築地に程近い月島へ行く。もんじゃ焼き3軒の取材だ。東京の某老舗ソース会社関係の仕事。
 仕事や住む場所は変われど、故郷に帰るような心情で、なんだか胸が熱い。

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