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2005年4月11日の1件の記事

2005.04.11

「アッス・シングとの不思議な縁」4月11日

 驚いた。人の縁とは本当に不思議で面白い。実に3年、いや4年ぶりか、インド人コックのアッス・シングとバッタリと出合ったのである。

 彼との出会いは、僕が以前、三重県松阪に作った小さなインド定食屋「Thali」でのこと。僕は個人的な事情で店をたたむことにしたのだが、そのまま店を潰すのっもったいないので、全国のインド人に次期オーナーの募集をしたのである。それで、各地から怪しい連中が大勢やってきて、そのときは信頼が置けると見えたとあるインド人に経営権を譲る。

 しかし、コイツはなかなかいい加減な男で、元々厨房機材や生活道具などを50万円で売る予定だったものを10万円にしてやったのに、それでも約束を破って払わなかったのである。その理由が、思ったよりも売上が少ない、というわけだが、それでは許されないのが日本の常識。
 彼らは金がなければ払わない、という自然とも我侭とも取れる判断が常識。そこで揉めてるわけにもいかないので、僕は松阪へ何度も飛んでは、現地の友人や常連客に声をかけて集客するということをボランティアで行ったわけである。

 で、そのときに、約束をしたそのインド人は店には不在。聞けば、大阪のインド料理店で勤めているというではないか。その姿勢自体が、店を流行らせるはずもないわけで、僕は愕然となったのをよく覚えている。で、肝心の松阪でのコックだが、このときに使われていたのがアッス・シングなのであった。
 彼は従順で素直な性格。狡いアジア民族の間では、騙すよりも騙される方で、実際この松阪時代の給料も何か月分か滞納されているしく、それを彼は訴えることもなく、単に言及するにとどまっている。

 当時、僕は彼の悩みにしばしば耳を傾けたが、いかんせん、そのときの僕は単に元オーナーというだけで、現実には店のやり取りに関しては責任言動を取ることが出来ない。だから、ただただ聞き役に。
 以降、何度か松阪に遊びに行ったときも、店の2階に彼は僕を泊めてくれたりもした。珍しく?温厚で嘘のない男だった。

 今日、前から存在だけは知っていたが、どうも暇そうで足が向かなかった仕事場近くのインド料理店に行くことにしてみた。この街にはインド系の店はパキスタン人のものも含めすでに2軒ある。ましてや日本人系のカレー店も半径50m圏内に4軒もあって、よほどのことがない限り流行ることはない感じ。
 今日行った店はその中でも、最も人通りの少ない通りで、しかもビルの奥にある。でも、ビルの1階に「インド人のカレーうどん550円」と言うパネルを見て、興味がそそられてしまったのだ。

 僕は店内に入ってから、2人のインド人コックに尋ねる。
「うどんって書いてるけど、まさかインドカレーじゃないよね?」
 すると肌の色の黒い方が早口でこう言う。
「いや、それインドカレーよ」
「は?インドカレーがうどんに合う筈がない。ジャパニ・スープでもい
れてるのか?」
 彼は苦笑いしながら首を横に振る。続けて僕はこういう。
「これ、美味いのか?ランチバイキング800円ってのがあるけど、こ
れと同じカレーなんじゃないのか?」
 カウンターには男の客が一人、そのカレーうどんをすすっていた。イ
ンド人コックは手元を動かしながらこう囁く。
「ワタシ、うどんウマくない、思うな。まず、バイキングで味見な」

 迷わずバイキングを選ぶ僕。そして、ポーク、ほうれん草、野菜の3種類を器に取り、ナンとライスで食していたら、入口から一人のインド人がやってきた。背が低く髪は脂っぽくてぺったりとしている。背中にはリュックを。一番入口に近いカウンター席に座っていた僕はそちらに目をむけた。すると、これがアッス・シングだったのである。
 目を丸くして、大喜びのアッス。松阪から遠く放れた大阪の、それも西中島のこの一角で、まさかの再会とは・・・。おそれいった。

 不思議な縁を感じた。
「どうしたの?松阪の店は?」
「う~ん、もう閉めてる。別のオーナーが持ってるけど、店としてはやっ
てない」
「そうか、ちゃんと給料はもらえたの?」
「いやぁ、駄目な。払ってくれない」
「そうか、大変やったね。お疲れさん。でも、アッスが日本にいることは
嬉しいよ」
「ワタシもあえて嬉しいな。今、吹田の****という店にいる」
「ええ!?CHOのところ?」
「は?知ってる?」
「知ってる、知ってる、CHOは元気?なんで彼のところで働いてる?」
「ん、ほかにないな。CHOの店は儲かってるし・・・」

 こんな風にお互いの近況を話し合い、今の連絡先を交換して別れた。実に刺激的な再会であった。
 彼とは何か、強い縁を感じてやまない。

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