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2006年7月14日の1件の記事

2006.07.14

「浪花のガレット」7月14日

今日は打合せで編集者と西梅田でランチをしばいた。昨今、リッツプラザやハービスを軸に、まるで名古屋のように白い大きなブランド名看板が立ちはだかり、こじゃれ小奇麗に大変身を見せている西梅田エリア。

そこから少し南へ下がった堂島付近の一角にそのレストランはありました。

ランチの主役はガレットでございます。ご存知でしょうか、御フランスの蕎麦粉を原料とした田舎料理(ブルターニュ料理)でやんす。要はクレープの原点がこれで、蕎麦粉をミルクやバターと溶き合わせてしばらく寝かせてとろとろになったやつを丸い鉄板の上に乗せてこんがりやいたもののこと。

食事として扱う場合は中にハムやチーズ、野菜などを入れてこんがりと。おやつの場合はバターに蜂蜜、キャラメル、アイスクリームなどをつけて軽食として。薄く焼き上げるし、また蕎麦粉の特性で表面はパリリとクリスピーに、中身はふんわりと柔らかなのが特長で、完全に欧米食化した今の日本人ならほぼドストライクな食べ物といえるでしょう。

東京在住の人はもうご存知かと思いますが、これを日本で広めたと位置づけされている店が神楽坂にあります。行列必至の超人気店で、単なるブランド人気ではなく、とても良心的なことで人気を獲得しているお店。コックさんもオーナーさんもフランス人の方々で、調度品や什器も殆どが直輸入もの。路地裏にあるのに庭先には緑も多く、とても開放感のあるつくりとなっています。

料理の内容は直系30センチほどの大きなガレットのなかに好みで具材が入っていて、それを包み込むように4面を内側に折りたたんだ状態。食感はちょっぴりパリリ、でも90%はふんわり&ねっとりの食感。ヨーロッパらしく塩気がよく効いていて、バターの香りも豊かに感じる。ここにシードルとデザート仕様のクレープが付きます。前者はシャンパンに如し、ブルターニュ地方の地酒のことで、リンゴの天然発泡酒。甘酸っぱくも後口が辛くて、思いのほかキレのある、後味の潔い飲み物なのでランチでもいけます。もちろん、ユーロの食中や食後は、このように気付酒ともいうべく一杯のアルコールはつき物です。が、日本ではそれはご法度に思えるわけで、このお店はそのあたりの風習の違いに関して大変ご苦労なさっということです。

でも今は行列必至なので、つまりはこのスタイルがすっかり受容されたということですね。お店は表参道駅前にもあるようで、こちらはめちゃめちゃオシャレムードをかもしだしているようです。

で、一方の浪花のガレットはどうかといいますと、こちらもビジネス街のど真ん中とは思えぬ開放感とゆったり感でございまして、久しぶりにその編集者と会ったということもあって、いろいろと話が弾んで昼から4時間近くも粘っても何の違和感もないという恐ろしさです。店は広くぱっと見た感じ40坪~50坪ありそな感じ。ある一方が厨房で、その反対の側がパティシェ房になっており、どちらかというとデザート寄りのイメージにも見えます。

そして何より興味深く思えたのがガレットランチのあり方。神楽坂のそれと比べるとまったくの別世界で、こちらはまず前菜が付きます。少しの生野菜とスモークサーモン、ポテトチップがはいっていました。その後、ガレットの登場となるわけですが、ここではある一面のみを折り曲げている状態で見た感じでは直系が25センチくらい。

色は田舎蕎麦のように黒く、実際にこんがりと美味そうに焦げ斑もある。せんべいのような乾き具合で食感もしっかりパリリ。中身はややふんわりだが、神楽坂とは逆でこちらは80%クリスピーなものでした。中身は分厚い三段腹肉のハムとチーズたっぷり。そして面白いのが、ここにパンがフリーでセットされるということです。広い客席の中央にセットされたパンテーブルに人々が群がっており、近寄ってみると3種類のパンを自由に小皿へ盛り盛り。オリーブオイル、塩、胡椒もせっとされていて、もうこりゃみんな取り合うようにベチョ~&ガリガリ&サッサッとやりまくっています。気の弱い僕はせっかくだと思いパンを二切れのみ皿に乗せ、あとはそそくさとテーブルにもどってしまいました。

このあとは飲み物が付くのですが、何が面白いかって、これ、クレープとパンを一緒に食うそのコンビネーションに浪花を感じてやまないということです。クレープというものは元々フランスでは主食格のもの。軽食やデザートに変える場合があるとしても、それはパンのイメージであることは間違いなく、その生地で惣菜を包むか、その生地とオカズを食べるもの。でも、ここはさすが浪花。み~んな何の違和感もなく、おまけに躊躇もなく、パン&クレープ(ガレット)をかましてくれるのでありました。

そう、お気づきの方も多いと思います。これはまさにお好み焼き定食のスピリッツといえるのではないでしょうか。量こそ違え、いやいやスタイルこそ究極の西洋風とはいえ、腹持ちのいいものをしっかりと食べたくなるといった、さすが7月の平均気温が東京よりも2度近くも高い浪花流、このパワフルスタイルは微笑ましくさえ思えたわけです。

神楽坂のお店は本当にいい店です。しかし、やはり東京の地下100mにまで沁み込んだお気取りエネルギーのせいもあってか、とりあえずお客さんは美人であたかも都会的なファッションと身のこなしなのですが、表情が薄いというか、澄んだ水のようなムードに思えます。でも、この浪花のガレット屋さんは、殆どが女性客とは言えみなさんパクパクと食欲旺盛でして、「シードルなんていらんから水かコーヒーの大盛りもってきてんか」といわんばかりの砕けたムードなのであります。

両店ともスタッフは抜群にええ感じの人たち。やはり華ともいえる女性スタッフがいて、姿勢よくて表情も実に綺麗。たまには都会の空気を吸っておかねばならんな、と思いました。

僕は常日頃、蕎麦とスパイスの間柄のことを考えています。ガレットも色々とテストしたこともありますし、逆に蕎麦をインド料理的に受け入れてみたりも。でも、今回の浪花流の再発見で、また一段と視界が広くなった気分です。

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