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2006年8月2日の1件の記事

2006.08.02

「これ確かに、あたりや」8月2日

地下鉄で二駅北、東三国に手打ち蕎麦屋ができた。二駅といっても正味4分の距離。
淀川区には電車はJR、地下鉄御堂筋線、阪急各線とたくさん走っている。区の東側は阪急の京都千里線、ど真ん中を東西にぶった切ってるのが新幹線。同じく真ん中を縦に走るのがJR東海道線。御堂筋線はJRの西側を縦に走っている。その北方にある街が東三国だ。

店は駅から歩いて5分ほど。東三国という街はこれまた独特のムードがある。同区にはたくさんの個性的な町があるが、繁華街の筆頭は十三で、再開発で新しいビジネス街は新大阪。西中島は程よくビジネスと商業、古い住宅が入り交ざる。その中で東三国は殆ど手付かず(最近は少し開発のムードがあるが)の旧大阪住宅地といった感じ。腹巻じじいの銭湯帰りチャリ姿、チョークをもって3~4人連なって走るガキども、家の前に椅子を出してひたすら佇む2人の老婆、ホルモン屋お好み焼き屋たこ焼き屋、どれかが必ず角にある町並み。

店があるのはうねった路地のとある角だ。家店になっていて店内は見た感じ10坪ほどか。しかし厨房が広いのでとても開放的に感じる。カウンター10席ほどが一本ばしっと走っていて、その反対側がテーブル3たく。

地元民らしき爺ちゃん婆ちゃん、ヤンキーから子連れまでがわんさかはいってる。
店ができたてなのでみなさんお試しと言う感じだが、この蕎麦屋はきっと浪速のコテコテタウンに根付くことだろう。二八蕎麦が700円、というのは街よりも100円安価。さらに軽めのもり蕎麦と前菜6~7品入った口取り、じゃこめしor焼き味噌(蕎麦の実を入れて練った味噌をしゃもじにはっつけて炙ったもの)、甘味までつく、点心セットなるものがあってこいつが1500円。
Rimg0023

これは、いわゆるちゃんとした蕎麦屋(鮮度のいい蕎麦粉を手打ちして、小麦粉をあまりつかわない、あるいはまったく使わないよう蕎麦切りを出す店のこと)のなかでは、とてつもないリーズナブルなほうである。というか、関西ではおそらくトップステージであろう。

しかも、関西にある多くの新興系蕎麦屋(僕は彼らを関西蕎麦ルネサンスと呼んでますが)は、着地の仕方にまよっている店がまだまだ多い。どうしても東京を意識しすぎるあまり、むるに酒を飲ませたり、肴の品格をメッセージしすぎたり。逆に大衆化を謳いすぎて下品になってしまったりも。そんな不安定な中で、関東も信州も横に置いておいて、新しい関西の食文化として確実に独自の着地点を固めだす店もぼちぼちとで出しているのだけど、総じて都心にある店はその矛先を決めるのが難しそうな感じなのだ。

でもって、まさかの大阪陸の孤島東三国(普通は淀川以南)で、このちゃんとした蕎麦を出しつつも何の抵抗感もない親近感のある一品を取り揃え、威張ることのないムードでメニューに何気なく酒類も一杯ラインナップ。昼と夜の両方の営業で、夜はなんと10時まで。関西では夜この時間まで営業する新興系は圧倒的に少ない。

いやぁ、期待もしてしまうけど、意外性にも驚きで、もっと驚いたのがこの店の街との馴染み具合である。店主は元々地元の人間で、自分の家を店にしてしまっただけに、下手に格好をつけるのはご法度だし、かといってなんでもありのいい加減な店にもできないしで、やっぱりこう言った一見窮屈な狭い町内文化というものは、ある意味極道のように曖昧なことは許されないといった緊迫のムードがあるのである。

先日、すでに2回目の訪問となった僕は彼にこう尋ねた。
「あすこに蒲田神社ってのがあるけど、やっぱり祭りには出てるの?」
「ええ、まあ一応。うちも氏子ですから。境内に名前はいってますよ」
「へぇ、あの神社ってどうやら食の神さんなんだね。外宮の異名同神ですよ」
「へ~そうやったんや。ぜんぜん知らなかった」
「いや、淀川区の資料を見たらそう書いてあったから間違いないよ」

同区で仕事しているのは僕も同じことなので、また、ゆっくり参りに行こうと思いました。

祭り、氏子、参拝。とにかく神さんに挨拶をするということは、地元に対して不義理はしません、筋とおしてやっていきます、という誓いをすると言う意味であると、僕はかねがねそう思っています。
それはつまり、地域であり、近所の人であり、自分自身。

そういったコテコテの中で馴染んでいくということが、一見だらんとした店に見えるのだけど、実は極道ってわけで、それはとても信頼に値するし、仲間意識を持ってしまうしで、もうどうにもこうにも興奮してしまうわけですよ。

Rimg0022


「蕎麦・料理 あたり屋」
淀川区東三国5-11-22 11:30~14:30 18:00~22:00 不定休
地下鉄御堂筋線東三国駅2番出口から西へ徒歩5分

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