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2006年9月6日の2件の記事

2006.09.06

「江戸の蕎麦屋」9月5日


西うどん東そば、とは迷信じゃないけど正確には違う。元々、手打ち蕎麦(蕎麦切り)というものは奈良から始まったという資料がある。昨今は、長野という説も浮上し、結局は古人に口なし、資料の有る無し勝負みたいな話になってるけど。でも、ひとつ確実な話が、西うどん東そばと強固に信じ込まれているその象徴的な風景は、きっと東京の街中に昼下がりから開いている蕎麦屋を見てのことだと思う。

東京には街中にこそ老舗の蕎麦屋が多く存在し、その店の殆どが、一杯飲み処、として信仰されている。でも、それは昨今のメディア競争の影響もあってか、やたらと粋だとかを演出されすぎて気負ったムードがバンバン。妙に浮き足立っているというか、着地性のない現実味を帯びない方向性だ。

実際には近所の労働者やらうことのない年配者などの拠所として存在する価値が高いわけで、用事がなくともとりあえず蕎麦屋へ行っておやつ代わりに盛りを一枚なんて使われ方も日常的だったと江戸のとある老舗店主は言う。

だから、江戸老舗の蕎麦屋の盛りはとても少ない。現実的には生そばで90g~110g程度だ。通常の食堂にあるような大量生産型のそばで1人前が140~160gだからそのボリューム感がわかると思う。これだからおやつといえる。実はこれ、大阪で言うなら、お好み焼き屋の存在感と同じである。近所のあそこ。1丁目から2丁目に曲がる角のあれ、って感じ。

夕方から酒を飲みたい人も集まる。昼飯として食べたい人も集まる。夜、仕事帰りの一人の大人も行ける。友達や仕事仲間ともいける。この間口の広さ、日常性が江戸の蕎麦屋であり、大阪のお好み焼き屋である。偶然だが、大阪のお好み焼き屋の数と江戸の蕎麦屋の数は殆ど同じ。とうぜん、飲食業の中でも群を抜いて大衆的な存在ということだ。

さらに特筆をひとつ。そもそも酒と蕎麦、おやつとしての蕎麦切り、という、いわゆる現代が信仰する「東そば」の原風景とは江戸のものではなく、大阪のものである。江戸時代以前からナニワにあったということがわかっている。それを示す江戸時代に書かれた絵が、東京最老舗にちゃんと保存されており、僕はそれをこの目で見せてもらった。虫食いで穴だらけとなったその和紙本は、綺麗にカミとビニールで包まれていた。

ご主人のいった言葉が実に印象的である。
「私たちにとって、こう言ったルーツ、ご先祖さまはとても大事なんですが、いざ大阪へ行きますと、そんなこと誰も知らないし興味をもっていらっしゃらない様子で大変ショックな思いをしました。当店の跡地も石碑こそ静かに立っていますが、他の建物に追い遣られそうなムードだし別段、花が飾られた後もない。町の蕎麦屋、という文化が大阪から始まったということを、大阪の人に知っていただけたらいいかと思います」。

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「越前のオオアジの一夜干し」

「越前海岸」9月5日

昨日はロケハンで越前海岸へ。目的地は海岸の丘の上にあるリゾートクラブのような場所なのですが、その周辺が実に美しい。潮吹海岸という景勝地もあって、高い波がぶつかるたびにいわの合間からプッシュ~と本当に潮を吹くので面白いやら大迫力やら。

そして、岩のすぐそばに鄙びた怪しい土産物屋を発見。客は誰もいないし、ひたすら波がぶつかる音の繰り返しで、厳しく寂しい日本海まるだしのところでした。欲しかった干物は4~5点しかなく、この商売っ気のなさはいかがなものかと思っていたら、顔色の悪い痩せたオバちゃんが奥から発泡スチロールのケースを持ち出してきて、「ほら、これなら分けてあげるよ。1尾400円にしよか?」と。

見るとこれが見たこともないくらいでかいアジの開きでした。触った感触では一夜干のようかと。色々と感動していたらオバちゃんが「3尾で1000円でもええよ」と。その言葉に乗って買ってしまいました。”このパターンは掴まされたか逆にごっつラッキーか”と不安なまま、帰りは高速道路に乗らず、一路海岸線を走り、やがては琵琶湖畔、そして京都~吹田へと約4時間のドライブ。

家に帰った僕はさっそくカミさんと疑心暗鬼でその30センチ超の怪しいアジを焼く。これが肉も分厚いためになかなか焼けない。よって後半は中火でじっくりと脂を落としつつ焼き上げる。で、箸を入れた途端「あっ、これはええ意味でやばいほうや」と思った。

一夜干しが上手にイッてると、箸を入れた瞬間に身が割れるんです。こいつ、ポロンって音を立てるように割れました。艶々と光り、干して倍増したアミノ酸特有の香ばしい匂いが。口に入れると、これがザクザクと音を立てるような歯ごたえで、旨味が異様なまでに溢れでてくる。帰路の途中で腹が減ったので夕方4時頃におにぎりとサンドイッチとドラ焼きを食べていたというのに、ご飯2杯をしてやられた。

オオアジ、つまりマアジの大人。アジのくせに頭の肉も食べるほど肉が詰まっていてシコシコとしていてうまい。頭裏の背中の肉はザクザクと程よい脂感と繊維感。腹のみは皮がパリッと跳ね上がるほどの脂肪がつまり、体が大きい分、骨も太いので避けやすい。9月の一夜干し、ということはおそらく南方漁場か。九州か島根、鳥取あたりとみた。こんな美味いものが越前にあったなんて、まったくこっちがシオを吹きそうである。

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