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2008.07.26

あらためて蕎麦掻カレー

カレーが騒がれる今の季節。これぞ本物、もっとウマイ、いざ本格。などとコピーが尽くされているが、本音を言うとやはり僕の目にはどれも同じにしか見えない。軸が全部同じなのだ。単なるシチューのカレー風味に具を変えただけ、ということ。スパイスではなく、あくまでシチューを命にしたままのカレーという名のカレー。これはまるで、30%以上いれさえすれば残りの70%が小麦粉であろうが山芋であろうが調整剤や調味料をいれようが「そば」と名乗っていいことになっている「そば」の如し。

今回、大阪屈指の老舗雑誌「あまから手帖」で担当させていただいた「長堀橋・ゴヤクラ」「北浜・カシミール」「本町・バンブルビー」「神戸元町・ダイニングオカノ」各店に関しては少なくとも、先述の限りではなく、骨の髄から各店みなさんのオリジナルの塊です。他に出てくるお店もきっと同様の個性的なカレーを作ってらっしゃることと思います。

そういった意味からもこの蕎麦掻カレーはやっぱりすごい。世の中、草木の根っこみたいに、一番大事なものは日の目を見ない、なんていわれますがこれまさしくそんな逸品。だって商品じゃないんだから。かといって素人の腕自慢的な主張の料理でもないんです。某蕎麦店の主がフフフ~ン♪なんて言いながら作ってしまったもの。

でも、こいつはデータマティックとは正反対にある皮肉にも完璧なバランス。蕎麦掻の程度とこのカレーのセッティングは唯一無二であります。名前や組み合わせだけなら真似はできても、このバランス感と完全な手作りによりフィールはどうしたって真似できっこない。歌や音楽と同じですよね、料理って。

いや、暑くなると人はカレーを食べたくなるってよく雑誌やテレビでは聞くけど、僕の周りの一人ひとりのお客さんからはそんなこと聞いたことがあんまりないので、いまだ疑問なんです。僕にとって見ればフルシーズンは常識で、いわば漬物やお味噌汁の感覚かな。

そんなネタにもならないどーしようもないのが僕の本音ですが、この蕎麦掻だけは数少ない本当にリスペクトに思うカレーです!

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