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2008.07.30

サンマの馴れ鮓 その2

Photo 熊野三山のひとつ、速玉大社のある町へ行くと、左の写真のような楕円形の桶を売る店がいくつかあります。これ、サンマの馴れ鮓専用の桶。それほど南紀ではサンマの馴れ鮓が身近にあるというわけです。

一般的な家庭では10~11月頃に売られる鮓用の痩せたサンマをたくさん仕入れて、一度塩漬けしてから2~3週間ほどシャリとあわせてから再び追い込むのだとか。よってやや若い馴れ鮓を食べていることになります。

でも元来は、半年から一年、熊野詣が盛んだった江戸時代までは何年経ったかわからないような、いわゆる本馴れ鮓が主流だったと識者たちは推測。そりゃそうでしょうね。当時は冷蔵庫なんてあるわけないし。北陸や越州、上州などのようなユキノシタもないだろうし。

日本で最も降雨量が多く、日照時間も長い南紀。常に潮風と黒潮に晒され、それはおのずと特有の食文化を形成する。つまり魚を使った乳酸菌の自然発生には期待が高いわけですね。肉の持つ脂分と塩加減が大事なのだそうです。その塩梅を判断するのはやはり人間の力です。

うまく醗酵が進むと何十年でも勝手に進行しちゃうんだそうです。僕はこの店に来るのは3度目。毎回、早馴れ、1年馴れ、30年馴れ、の各鮓をいただいてきましたが、本当に味がわかったのは今回の3回目。それほど地味で滋味がある。酒は種類をといません。赤ワイン、日本酒、焼酎と進み、店主お勧めの奄美の黒糖焼酎が美味くて美味くて。30年もの馴れ鮓は形がありませんので、箸の先にちょんとつけてなめるか、スプーンを借りてどばっと行くか。Photo_2

味は限りなく本物のヨーグルトに近いです。本物?添加物がないものということ。(具体的には明治ブルガリアヨーグルトなどってか)

臭みはあります。でも意外に1年ものとさほど相違なし。琵琶湖のフナ鮨に比べるとかなりうっすらとしていて軽いです。つまり味もしつこくはない。

何度食べていても、いくら仕事で感覚をニュートラルにしていても、さすがに味の深みがわかってしまうと自分を抑えきることが出来ませんでした。店主の気さくさもあり、ひさし振りに泥酔寸前の酩酊。だから写真ブレてま~す。

日本のソウルフーズを食べたい人、もし行かれるならお店をご紹介しますよ。

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