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2010年9月18日の1件の記事

2010.09.18

タンドール処のSOL@箕面

それまで、ごく普通に、静かに、穏やかに、町のカレー屋さん、としてあった小さなお店を、雑誌ミーツ・リージョナル(2009年9月号)に「掘り出し物をでっかく載せたい」と声を大にして推薦した最大の理由は、とにかくひたむきなその店の立ち方にありました。

僕は元々雑誌を中心舞台としたフリーライターでしたので、あちこちから「こっちにもいい店あるよ」とか「なんとかうちの店のことを書いてよ」などと声をかけられまくっていました。

でも、こちらの店からそんなこと一言も言われていません。最初は店主も僕のことを知りませんし。

きっかけは松阪の友を介して知りました。店主、実は僕と入れ替わるようにして松阪へ一時転居していたのです。当時は向こうでラーメン店に勤めていたそうですが、数年後に地元の石橋(阪急宝塚線)に戻り、SOL(ソル)を立ち上げたというわけです。

だから初めて耳にしたのは、松阪の友からの電話。「君によく似た男がいるからいっぺんいってみ」。

最初はなかなか探し出せませんでした。いかんせん、交通量の多い国道171とはいえ、西行きの石橋方向にそれる側道(本当はこれが国道171なんですが道が細くなるために側道のように見えてしまう)沿いにあるものですから。

スピードもでるところだし、緩やかなカーブの内側だし。常識的に考えて飲食店としてはかなり厳しいところのはず。

しかし、じゃんじゃんとお客がやってくるんです。店内は屋台の如し、カウンターのみ、一応の6席で実質は4人で息苦しい。でも店頭がテイクアウェイ窓口になっているので、持ち帰りもできるんです。前後に椅子を取り付けた自転車をまるでチョッパーハンドルのバイクにまたがったかのように「チキン3つとナン3つ!買い物終わったら寄るからいれといて!」と叫ぶ元ヤンキー的元気な若ママ。うつむき加減でタンドリーチキンとナン1枚とつぶやく作業服姿のおっちゃん。低い声で野菜カレーとナン一枚なんて言う、短パンにサンダル姿、マンガ後ろの百太郎(眉毛がない!)みたいな顔した年齢不詳のねーちゃん。などなど。

2回目のとき、僕は自分のことを店主に伝えました。店主も僕の噂を耳にしていたようで、すぐに打ち解けることができました。元々彼はミュージシャン(ドラマー)、僕は毎週末音楽イベントをやるバーの経営者。そんなこともあってお互い共通の知り合いが多いこと。生まれ育った地ではなくても松阪をノスタルジックに感じていること。なんだか縁を感じました。

そしてこれほどに斬新なのに、とてつもなくありきたりに見える店の立ち方に感動してしまいました。タンドールを使っているのです。インド料理店では常識的ですが、日本人コックが使うのはほかにほとんど聞いたことがない。しかも、手が届くほども近いところにある。通常インド料理店は手の内を隠すかのように厨房は壁で遮られます。

見た感じでは5坪ほどしかなさそうな狭い店内。蓋を開けるたびにタンドール(腰の高さくらいまであり、直径1m近くもあるような大きな炭窯)をこする低い音が聞こえてくる。そのたびに熱気や煙、肉の焼ける香ばしい匂いなんかが漂ってくる。

メニューはチキンと野菜のカレー2種、土日はキーマも。ほかタンドリーチキン。そしてナン。ドリンク数点。あまりにもシンプルなラインナップと選択で、値段は攻撃的。カレーとチキンは300円、ナンは200円、追加は100円。最高級なのがキーマで単品500円。最大で大盛りのキーマ&ライスが800円。味も日本人らしく嘘がなくて丁寧です。

あるとき僕は何気ない感じで雑誌の取材の相談をもちかけます。すると普段は無愛想なのに目と口を大きく開きました。「ええ?うちなんかを取り上げてくれるんですか?そんな嬉しい話はありません!」

おまけに僕の隣で、チキンとビールを飲んでいた若者も「うそ?この店そんなにすごいんや?」。だってあなただって通ってるんでしょ?「いやまぁ・・・。あぁなんか嬉しいな~。僕が通ってる店が凄い店やったなんて!」

こんな感じです。実はこの段階でSOLができて2年目に突入していました。店主も店主だけど、客も客なんです。だれもこの店を凄い店だと気づいていない。いや、口に出せないだけかもしれない。僕がライターを始めた1990年代はまだあったんですよ、このパターンが。でも情報が氾濫している今では天然記念物のようなもの。アマゾン探検隊の気分です。

僕は職業ライターですから、私情とは別のもうひとつのスイッチがあります。主観とはまったく別物の客観というものです。その視点でこちらの店には実力の高さを感じました。タンドールやメニューや値段の潔さ、チープな店作りだけでなく、輝き、という実力。

立役者としての奥さんの存在も大きいです。土日などはまだ小さな子供を負ぶって仕事を手伝いにやってきます。お互いの支えあいがなければこの店は立っていられない。理屈じゃない空気の色みたいなもんをびんびんと感じます。だから見た目だけを真似てもここと同じことはできないと思います。こんなにシンプルなのにね。

最近は火曜と水曜が休みの様子。それ以外の日は昼から2時半頃まで。夜は5時か6時かくらいから9時頃?まで。土日や祝日は休憩なしとのことです。混んでることが多いです。歩道に人が溢れていることもしばしば。かといって前の道はあくまで国道なので車をゆっくりと停めていられるようなところではありません。

最強は歩き。電車なら阪急宝塚線石橋駅で降りて東口から。高架下をくぐってすぐに右折⇒踏み切りを越えてすぐ左折⇒線路沿いを進んで道なりに右カーブ⇒側道風のR171・歩道橋を左折⇒50m先の横断歩道を渡り、さらに左折⇒200m先右手。目印はヤキトリ「大吉」の真っ赤な看板です。グーグルマップで550mの距離。

車の場合は茨木から池田向きの西行き限定で、箕面西南小学校交差点⇒左手にマクドナルドやコジマ・スーパーのはいった4階建ての大きなビル⇒すぐにコンビニ⇒100m先左手です。こちらも目印は大吉。まず見過ごすと思いますので、行き過ぎたらややこしいのでカーナビで「コジマ・箕面」で検索すべし。まぁ、とにかく商売に不向きな難所です。

グレイト!

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