Recommended book

  • 『絶対おいしいスパイスレシピ』出版社サイト☆送料無料!
  • 『絶対おいしいスパイスレシピ』Amazon
  • 『山海の宿ごはん』(全編カワムラ取材)2005年あまから手帖ムック
  • 『カレー全書』(柴田書店)*送料無料!

カテゴリー

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ

« 2011年4月23日 | トップページ | 2011年4月26日 »

2011年4月25日の1件の記事

2011.04.25

イントロを返せ!奇跡の間への挑戦。

まずは報告を。

小ブログのカテゴリー「漫筆」⇒「淀川の堤防」にカエ!(一昨日まで校正まくりだったので編集用語中毒)

僕はチビのとき、暇さえあれば淀川の堤防へいって虫やトカゲをとって遊んでました。大人になってからも釣りをしたり、なにかと自由気ままなフィールドということで。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キャンディーズは僕にとっても思春期の象徴でした。あれは小学高学年のとき。ラジオから流れてくるDJの話にずっと耳を澄ませ、今か今かと何分も、いや何十分も赤いレコーダーボタンの上に指を載せて待ち構えます。

そしてDJの話の途中か、いったん途切れて曲が始まるかが死活問題で、90%以上の確率でDJの話と曲が重なって始まり、あわてて赤いボタンを押すことになります。

で、この途切れたイントロというのが実に刹那でして、いったいどうしてくれるんだ!?と一瞬ラジオ局に直訴したい気持ちになるのですが、当時そんな情報もなければ風習もないので、一般リスナーというのは、それはもうただひたすらにけなげな子ヤギのように、ラジオトークについていくので精一杯なのであります。

これじゃ納得できない!イントロを返せ!いや、イントロをくれ!いやいやどこにあるのだ!?と、どんどん能動的になっていき、最終的に僕が取った手段は、懲りずにただただ何度も何度も録り続けるというものでした。

やがて、いつかはDJの紹介が終わって、0.5秒くらいの間があって曲が始まるという奇跡的な間が生れるのです。でもそんなときに限って、ちょっと早めにボタンを押していたりするのでまたそれはそれで納得いかない。

いろんな葛藤を経てあるとき、素晴らしい発明をします。それは兄貴のラジカセを持ち出すことでした。我が家は親父が電器メーカーに勤めていたこともあり、テレビとラジカセだけは最新のものがありました。これはとても幸いなことです。まだ当時はステレオタイプのラジカセを持っている友人は皆無でしたから。

さらに兄貴のステレオタイプにはマイク機能なるものまでついていました。これは長年、自分の声が大きくなるカラオケ的マイクと同じものだと信じてきましたが、なんであれとにかく外の音も録音できる、神様のマシンでした。

このマシンを自分のラジカセの前においてダビングするのです。しかし、ここからがまた難関。どうやって今まで録った中でいい状態のものを探し出すのか、ということです。ええ、チョイスがムツカシイのですよ。

テープは基本的に60分。長いもので120分。短いもので30分。長尺ほど音がイマイチになることが多く、大好きなキャンディーズなので、なにがなんでもいい音で録りたいのですが金がないので、120分を使わざるを得ない。

で、またこれが何度も何度も上から録音しなおしているものだから、音がざりざり言うだけでなく、テープが伸びちゃってるんです。あなたはぁ~ぁ~、あぁ~ぁ~く~ぅ~ま~~~~♪ってこれじゃフランク永井だろう!・・・シャネルズの低音の人だろう!?・・・・・ゴスペラーズの低音?でもいいよ。

とにかくランちゃんミキちゃんスーちゃんの、艶やかでドキドキする歌声が野太いおっさんの声にだけはなってほしくない。しかし、これくらいならなんとかクリアできます。脳裏に焼き付けておいたキャンディーズの声を頭の中で再現するという必殺技があるからです。

やはり最大の問題は長いテープの中に詰め込んだ曲を探し出すこと。それはもう弾がどこから飛んでくるかわからない戦場の如し。

だいたいこの辺だったんじゃないのかな的なところまで早送りして「再生」ボタン。違うかなと思ったらそのまま早送りボタンも押して、うにゃうにゃうにゃ~とコビトの歓談みたいな音を聴きながら途切れる場所を探し、行き過ぎた分今度は逆戻しを押して、その空白から再び再生。これも違うな・・・などとつぶやいては同じ動作を延々と繰り返すのです。

そしてようやく「これだ!」というのを見つけ出し、左手で自分のラジカセの再生ボタンを、右手で兄貴のラジカセの録音ボタンを「せぇ~のっ」で押します。

が、たまにいくら奇跡の間といえどもDJの声と曲の合間が0.1秒くらいのものがあって、きっとそれはDJにとっては神業的なレベルなんでしょうがこちらにとっては悪魔レベルでありまして。

こういうものになると、どうしても洗濯機の中から音が飛び出たみたいな感じで始まってしまうのです。イントロを返せ、いやもう少し間をあけてくれ!

こんなことを何日も何週間もくりかえしているものだから、テープだけでなく自分の指の筋肉も伸びていきます。もう宿題なんてできないくらいに。

努力を継続することでいつかは、実にウレシイ編集の、濃厚な、ぼろぼろですが充実の、30分あるいは60分のテープが出来上がるのです。

ただしキャンディーズのみ、なんてのはまず不可能ですから(音源がラジオかテレビしかないし、レコードを買う金がないので)、同じ曲を何度も何度もいれています。特に僕は"年下の男の子”が大好きで(後は”その気にさせないで”、さらに後は”優しい悪魔”に首っ丈)が大好きだったので、これをA面B面の両方に3回ずついれてあったり。

その前後はピンクレディのペッパー警部や山口百恵のひと夏の経験。ほか、桜田淳子に太田裕美など。よく考えてみれば、およげたいやきくん以外は全員女の人ですね。

こうして構築した自前の編集テープが何よりもの宝物でした。寝る前は必ず頭にラジカセを置いてキャンディーズに耽る。毎日のように、朝はラジカセがウ~~~~ンと唸っていましたね。テープが終わると再生ボタンが行き詰るからです。それから何年か経ってからテープが終わると自動的に再生ボタンがオフになるマシンが出ましたけど。

あまりにも再生行き詰まりを繰り返すものだから、ますますテープは伸びていき、最終的にはお化け屋敷みたいになってしまいます。酷いときは無常にも切れてしまう。そういう失敗を繰り返しながら、ある頃から元気なうちに別のテープにダビングしておくという技を覚えます。

やがて僕は音楽や8ミリ(これは友人の家にはなかったですが)の編集ができる男となり、周りの友人がテープを持ってダビングを頼んでくることもしばしばありました。これが後に映画の製作などにつながっていくわけですが。(高校時代に映画を2本製作)

今の僕はスパイスジャーナルという平面の編集をしていますが、その土台はキャンディーズにあり、といっても過言じゃありません。あ~また映画も作りたい。

« 2011年4月23日 | トップページ | 2011年4月26日 »

club THALI Twitter

  • club THALI Twitter

club THALI

フォト

カワムラケンジのプロフィール

Spice Journal(カワムラケンジ) Facebook