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2014年2月8日の1件の記事

2014.02.08

常に戦場を匍匐前進するスパジャー

スパジャーは一般的な本とは別世界です。

一般というものは、コードを購入し取次業者が各地の書店に配送。大手書店などにみる検索機は取次が扱う本のデータ検索となります。また売れるとレジのコンピュータが自動的に数字を取次、版元へと届くようになっており、そのまま後日に補充分がトラックで運ばれてくるというシステム。

一方のスパジャーはコードを買う金がなく、検索機に載ることはありえません。レジも、いちいち本の裏面を見て、本体価格と税額を確認して打ち込んでもらわなければなりません。

だから棚の整理や在庫の管理、補充発注などもすべて書店スタッフの手作業です。早い話が世話がやける。書店員の忙しさは半端じゃないので、この手間隙が理由でまずスパジャーは門前払いとなるわけです。だから創刊当初よく言ってましたが、バックナンバー一式を、しかも専用棚までもらうなんてのは奇跡中の奇跡です。

しかし、書店からみて、何の政治力も得もない本ですから、少しでも結果が悪くなると、その分簡単に降格されます。発注の半減、バックナンバーの取扱中止、面立てではなく棚挿しの配置。ヘタをすると取扱中止にもなりかねない。スパジャーは常に資金不足による廃刊の危機に晒されています。ファンの熱い声援だけをたよりに、今日までやりくりして生き延びております。そんなところにもし書店から見捨てられたら瞬時に息が絶えてしまうことでしょう。

この現実の中で日々生きている僕は、アメリカのストリップ嬢の生き様が心のお守りになっています。彼女たちはどれだけ人気を得ようと、どれだけベテランであろうとも、毎月?毎週?オーディションを受けて合格した者だけがステージに上がることができるのだそうです。昔行ったストリップ劇場のダンサーから直接聞いた話です。そして振り付けや音楽のすべてを自分一人で考えるとも。

通常の出版社には営業マンや販売担当者なるものが存在し、彼らが外回りの仕事に奔走しています。制作希望者はちらほらと見受けますが、販売や営業を志願するものは創刊以来4年経ってまだひとりもあったことがありません。何もかもを僕が一人でやってきております。いや、正確にはやる以外に選択肢はない。好き嫌いの世界ではありません。

現実というものは、どんな正論も歯が立たない無常の世界。

先日、お世話になっている「MARUZEN&ジュンク堂書店」の担当者と話しました。スパジャーが最も売れる書店なのにコーナーが解体してしまう、という大事件が起こったからです。僕は「あまりにショックで凹んでます。なぜコーナーがなくなったのか!?」と泣きつくように問いました。

すると彼はまさかの回答。「いや、ダメなのではなく、貴誌はこうしてでも売れるんじゃないかと思ったんです。試してみたいのです。他雑誌のように浮き沈みがなく、地味にこつこつ売れる本ですから。ファンの方が育っているように思います。どうやら料理通信や料理王国と同じ感じです。棚に刺して売れ行きが落ちれば、うちにとっても問題。僕に任せてもらえませんか?」

これをもし通信や王国の編集者が知ったらどう思うかわかりませんが、僕の心は妙に明るくなってしまいました。「そうか、そこまで信頼されてたのか。そして、いいお客さんとも出会えているのか」と。
これはまた僕の、いいことしか思えない病でしょうか?

スパジャーは一見客よりもリピーターや志向があう人が買う本なのかもしれません。え、そんなの当たり前?今の今まで本気で一般向けに作ってきましたけど・・・

書店って単に本をならべて売ってるだけじゃないんですね。やっぱりプロなんだ。

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