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2016年9月8日の1件の記事

2016.09.08

「料理デザイン」という仕事

昨年から今年の春にかけて、おかげさまでたくさんの料理デザインの依頼をいただいた。

「料理デザイン」というのは、レシピを教える、というものではなく、クライント様の希望をカタチにする、という意味を込めて作った僕の造語である。

だから、うまいかまずいか、あるいは面白いか面白くないか、時に健康的かそうでないか、などと「お客に喜んでもらう」ことが最大の目的だ。

もちろん一品一品、全力投球。

現場が自分の店から、クライアント様の研究所や店に変わっただけのこと。どうしたら楽しんでもらえるのか、ささやかでもそれがあってよかったなぁと思ってもらえるのか、がポイントである。

最初にこういった本格的な仕事をしたのは23歳のころ。契約先は高級スポーツクラブであった。

クイックリーに栄養補給できるもの、各人の健康状態や体調に応じたメニュー、アスリート向けのメニュー、一般シニアに健康的なメニュー、などなど、おいしいことを絶対条件に、すべて栄養評価をして1年間で40品ほどのレギュラーメニューを構築した。

未公開を含めると全部で200品ほど創り上げた。

もちろん単なる組み換えや思い付きではない。大まかに各体質ごとに栄養のバランスの調整をはかり、できるだけ品質のいい素材を探し出し、味付けの理由を明確にし、加熱の流れや時間を計算したうえで、最終的にランニングコストと実質コスト、売価、調理~提供オペレーションを構築し、詳細なレシピを着地させる。

でも、あの時はここまでやっても仕事はまだ30%程度。スタッフもすべて僕が育て雇用し、運営も任せられた。

現実の日々の中で見えてくるオペレーションの修正や微調整、充実のサービス、必要なマナー、お客とのコミュニケーションのあり方など、目には見えない仕事が70%ある。

つらいことも多かったが、毎日が挑戦と勉強の連続で、とてもいい体験をさせていただいた。

これが僕の料理デザインの始まりだった。

以来、自分の店のメニュー作りに限らず、いろんな企業やイベント、個人の方から相談を受けるようになった。

ただ、以降は本業(自分の店や著述業)を立ててやっていたので、クライアント様あっての料理デザインの仕事については小さくこつこつ、いわば副業だった。

もう生きるので必死のチープ人だからとにかく少しでも利益の出る、あるいは安定感のある仕事にくらいついた。

それが雑誌ライターや広告ディレクションなどであったが、大阪なんかはとにかく情報の多さと速さが勝負でその一辺倒となってしまい、当時の大阪の編集者の殆どは僕が料理デザインの仕事をしていたことを知らない。

東京では仕事の幅や奥行きを求められることが多かったので、それを知っている者も多くいたが、それでも料理をデザインする仕事は副業の域を出ることはなかった。

それが昨年から今年にかけては、生活の半分以上が料理デザインを占めたのだ。

スパイスジャーナルや昨年に出したレシピ単行本、またテレビやラジオの出演もきっかけになっていたと思う。

でも、最大の要因は僕の家庭環境だと思っている。

2008年にカミさんが大病して以来、家事の分量が増え続けており、特に昨年は彼女の持病でもある大腿骨の調子がすこぶる悪く、送り迎えや炊事はほぼ僕の仕事となった。

そして四苦八苦している僕を見て彼女は手術をする勇気を振り絞ってくれた。

今年の3月に一か月の入院を経て後の3か月はリハビリ。今も健常者のような動きはできないが、杖を頼りに何とか歩けるようになってきた。

と同時におふくろの認知症が進んでしまい、暇を見つけては片道1時間をかけて冷蔵庫の掃除や炊事、買い物を手伝っている。

これらのキーワードが料理である。おかげで、柔らかなスパイス料理、酒飲みのスパイス料理などのストックがまた増えた。

こういうことを書くと、またすぐにパクられちゃうわけだが、もうどうでもよくなった。どれだけパクられても僕の人生は変わらない。

目下の僕にとって大事なのは、家族というある意味で最も我がままで口うるさい相手をいかに満足させることができるか、である。

今度のクライアントは手ごわいぞぉ~。

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