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2016年10月5日の1件の記事

2016.10.05

いまあえて〖魚河岸鰻遊〗第十話「魚の東京弁」

前回に続き築地魚河岸の話を。

今回は久しぶりに大番頭さんならではの荷受との交渉やお客との掛け合いを見させてもらって、懐かしいやら寂しいやら楽しいやら、という2日間だったのだが、そんな中で大番頭さんがお客にずっと推していた「エボ」と「ヤナギ」のことがずっと頭に残っている。

「エボ」とは「エボダイ」のことで関西では「しず」と呼ばれている魚だ。というか淡路島名物なのでこちらが本場だ。いったいなんでこんな風情のある名前がダサい名前になったのかと思いネットで調べてみると、なんとこいつの標準名は「イボダイ」であった。

そして関西では「ウボゼ」と呼ぶ、と書かれている。ほんまに?少なくとも今まで僕が見てきた名前と、今日も行ったいつもの吹田のとあるスーパーでは「しず」と書かれているけど。

一方の「ヤナギ」は「ヤナギカレイ」のことで、標準名は「ヤナギムシカレイ」というらしい。ネットによると関西では生干しを「笹ガレイ」というらしいが、いつものスーパーでは生でも「笹ガレイ」と書かれてあった。

年末になると京都錦市場にこの干物がずらりと並ぶことからそう思ったのか、スーパーが間違っているのかよくわからない。

ちなみに産地の福井県で「若狭ガレイ」と呼ばれていることは、今まで幾度か取材に行って確認している。

そんなことを考えていたら、ふと、かつて雑誌ソトコトで連載していた〖魚河岸鰻遊〗(ウオガシマンユウ)第十話のことを思い出した。

第十話というのは「魚の東京弁」というタイトル名で、2006年4月号№82の掲載分である。

内容は、こんなにハイテク&均質均一化の時代だというのに、魚の世界だけは違っていて面白いぞという話である。

例えばそれは神奈川と千葉などといった近隣県同士でも呼称や分類方法が違い、取扱高も魚種の多さも世界一を誇る東京でさえも、魚だけはベタベタの方言がまかり通っているという事実。

言い換えれば、これだけの東京弁が聞けるのは、今では築地魚河岸しかないかもしれない。

ちなみに魚の標準語は、国が認めた識者によって構成される日本魚類学会というところが決めていて、標準和名、一般名(方言であるが標準と同格の呼称)、地方名、地域による成長名などと分類され、標準和名に関しては学術名としても扱われている。

本稿ではそれを叩き台にしていくつかの例をあげている。

まず東京人のプライドともいえるホンマグロだが、実はこの標準和名はクロマグロという。

江戸っ子の愛する光物コハダは標準がコノシロ。

東京の料理屋がこぞって仕入れるキンキはあくまで地方名であって、標準和名はキチジとなんだか時代劇に出てくる名前のよう。

さらにアオヤギはバカガイ、ワタリガニはガザミ、などなど。

その中で格別に取り上げたのがブリである。言わずもがな出生魚であるが、築地では30センチくらいまでのものをワカシ、4~50センチをイナダ、60センチ越えをワラサ、90センチ級をブリと呼ぶ。

が、お隣の千葉へ行くとイナダの次にサンパクというのが入る。日本一のブリの町と称される名港氷見(富山)などではコズクラ、ツバイソ、フクラギ、ハマチ、東京のワラサ級がガンド、それ以上がブリと実に細かいクラス分け呼称が連なり、特に12月中旬から1月中旬頃までのわずかな期間で揚がったブリだけを本物の寒ブリとして尊ぶ。

が、関西においてはこれらをひとからげにハマチと総称してしまうことが多い。関西でもツバス、ワカナ、ハマチ、メジロ、ブリとちゃんと名が存在するのだが、これは市場用語のイメージが強く、庶民はおよそハマチの一言で通してしまうところに、面倒くさがりの関西人気質が垣間見える。

ちなみに東京でハマチというと殆どの場合でブリの養殖物を指し、誰も天然ものとは思ってくれない。

いやはや、いまだ地域によってこれほどに呼称も価値観も違う世界があるなんて、みんな一緒、の逆で、人ぞれぞれ少しずつ違っているから面白い主義者の僕などはちょっと嬉しくなってくる。

また呼称や分類法のみならず、さばき方や料理法も違ってくるからさらに深みがある。

僕は魚介のスパイス料理レシピがすでに400種類以上あるが、そのうち魚介専門スパイス料理店をやりたいなとひそかにそう思い続けている。おっと、もうこれ以上パクらんといてね~。

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