『トッピングスパイス大研究』
*これは雑誌や書籍への公開・未公開にかかかわらず、過去にカワムラが執筆した「カレーやスパイス」に関するエッセイコーナー。一部、言葉や文章の誤りを訂正している部分もあるが基本的に当時のままの生原稿。文字ばっかりだけど、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
ビシッと迫力、極東アジア系。
ジミーペイジのブラックマウンテンサイドを聞きながら、おでんのオリエンタルミックスを試みた。え、意味不明?要はスパイスでもってますます温まろうってこと!
*分量はすべて1人前(仕上がりで大さじ1~2程度の量)
1
「ブラウン・イ・アー」
豆板醤+味噌+砂糖+塩+水
昔からあったやろ!と思うくらいベリーグッド!豆板醤の芳醇な辛みと味噌のコクでより身体ぽかぽか。水量を加減して好みの硬さに。
2
「イエロー・サマー」
練りからし+カレー粉+しょう油
カレー粉が加わりちょい豪華な風味に変身!がんもどきの中に突っ込んだり、ダシに溶いてみたり。やんちゃなおでんが楽しめるゾ!
3
「山椒・マイ・ラブ」
濃口しょう油+山椒の粉末+砂糖+片栗粉
今回のヒット作のひとつ。国産の山椒ならではの華やかな香りと、持ち前の刺激が大根と見事に溶け合った。他の具ともラブラブだ!
お好みでふりかけ、パウダー系。
4
「アイム・ゴナ・コショウ」
炒り塩+粗つぶしコショウ
黒胡椒を乳鉢で粗潰ししているので大小の粒々食感がいい。胡椒は身体を温める作用があるとか。なんだったら胡椒だけでもありか!?
5
「ゴマ・リーブ・ユー」
青のり+ゴマ+塩+粗挽きコショウ
大根にふりかけたらゴマと青ノリの香りが最高に心地よかった。玉子や厚揚げにもばっちし。混ざり合ったダシまでふくよかな風味に。
6
「カツオ・ブレイカー」
鰹削り粉+粗挽きコショウ+塩
今回間違いなくトップ3に入る!鰹節の旨みに胡椒の刺激が加わり絶妙な和×洋アクセントがうまれた。ええいっ大人のカツオ粉だ~。
ありそうでなかった、インドの風。
7
「胸いっぱいのココナツ」
自家製ココナッツカレー
今回最も期待したし力をこめた作だったのに、これが最もアカ~ン(涙) おでんって意外に味が主張していることに気付くのであった。
8
「アカ・シミール」
ケチャップ+豆板醤+玉ネギ+ターメリック
玉ネギの歯応えと豆板醤の辛みは悪くないけど、やっぱりケチャップが単調で面白くな~い。トマトの濃厚辛口カレーがよかったかも。
9
「グリーン・ディック」
コリアンダー+ヨーグルト+ショウガ+チャナ豆+塩
インド定番のグリーンチャトニであるが、これがまさかのホームラン!コリアンダーのきつい香りとヨーグルトやしょうがの酸味が◎
複雑な奥行き、東南アジアの熱。
10
「オイスター最後の戦い」
オイスターソース+トウガラシ+ガーリック+しょう油+酢+片栗粉
これは絶対ありと思っていたけどいまひとつ。オイスターソースはクセの強いものとよく合う。おでんは純粋な味の食べ物なんだな~。
11
「スイートチリ・ドッグ」
コリアンダー+トウガラシ+ナンプラー+砂糖+酢+片栗粉
今回の最大の冒険のひとつであったが実にマズイ!スパイスではなく単調な味そのものが合わないようだ。このベクトルは諦めよう。
12
「ホワイト・ウインター」
ココナツミルク+ショウガ+ガーリック+トウガラシ+ナンプラー+砂糖
これも大冒険コース。そして大成功!大根にかけると瓜のカレーのようにひとつになった。あれれ、ならばなぜ(7)は合わないんだ??
<カラシコラム>
おでんに合う市販からしはどれだ!?
萬藤 からし粉
他に比べて地味でおとなしい。でも味わってみると純粋なからしの風味が。なんやかんやとアレンジしたくなる!
ハウス 料亭からし
色々味比べしたけどこれが一番おでんとラブリー。わずかな甘みから始まりじんわりと旨み、後半は鮮烈な辛みが。
S&B 本生 和からし
やや油っぽさのようなものを感じるが、すじ肉やじゃがいもなど深みのあるものと合うと思う。辛みも丈夫。