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2016.11.01

『クシティ伝説』ともうひとつの話

ANAの機内誌『翼の王国』(2016年11月号)の巻頭に『クシティ伝説』を書いた。今回はその補筆をしよう。

クシティとはフレッシュコリアンダー(パクチー)の与那国弁で、島ではこれを昔から各家で代々栽培し続けて、サラダ感覚でむしゃむしゃと食べているという。

旬は12月頃から3月頃までの間、まさに冬の風物詩である。

と言ってもコリアンダーの発育温度帯が18~25℃あたりというから大阪で言えば5月か6月の陽気である。

食べ方はもちろん生が一番。洗って刻んでポン酢をかけて。鰹節もよくあうのだとか。カジキの刺身の共にもいいという。

子供の中には苦手な子もいるらしく、そんなときは天ぷらにしたり、他の野菜と搔き揚げにしたり。

一応土産用に蒲鉾にしたものがあるらしいが、食べたことがあるという人は少なくとも取材で出合った約20人の中には一人もいなかった。

今回は、本土では好き嫌いが別れるハーブとして騒がれているものが、与那国島ではみんなが大好きな冬野菜となっているその実状と、地中海沿岸が原産といわれるコリアンダーがそういう経路でいつから島にやってきたのか、その歴史を探るための取材であった。

そして、実際に島を歩いているうちに、もうひとつ気になるものが目に入った。

それは道端や駐車場の脇などに自生している、ピパーツ(ヒバーチ、ヒハツ、ピパツとも言われる)という胡椒の1種だった。

これは、広くはナガコショウと呼ばれ、どうやらインドネシアあたりから伝わったものとされている。

インドネシアといえばクローブが原産のモルッカ諸島やナツメグの原産地バンダ諸島があるところ。大航海時代なんかよりもはるか昔から中国が海路を開いて行き来していたエリアだ。一説には6世紀とも7世紀ともいわれる。

また、海路より以前から、イラン人によって西方と中国は陸路でもつながっている(シルクロード)。

コリアンダーは一応地中海沿岸が原産といわれているから、もしかしたらイランやその近隣国の人が中国に持ち込んだのかもしれない。

で、台湾に飛ぶがこちらは中国福建省と海峡を境に150キロの距離がある。

7世紀の最初にはすでに中国人が台湾に足を踏み入れているという説があり、もしそれが本当なら南海のクローブやナツメグ、ナガコショウ、シナモン(これらはスリランカやインド、ベトナムなど広くに分布する)、胡椒(インド南西部原産)も台湾に流れ込んでいた可能性はある。

台湾にとって中国よりも近い与那国島。与那国島にとっては石垣島よりも近い台湾。黒潮のど真ん中に仲良く並ぶふたつの小さな孤島の関係が、歴史的な資料に記されるとはとても思えないのである。

与那国島同様、コリアンダーは台湾でも日常的な素材であり、ナガコショウは自生していると聞く。そう考えると、与那国島のクシティの歴史は1000年どころではないかもしれない。

日本からすれば最西端の静か過ぎる小島、与那国島。しかし、少なくともスパイス的に見ると実はアジアにもっとも近いグローバルアイランド。

いけない、いけない。夢が大海原へ広がりすぎてしまい、話が支離滅裂×途方もないくらいでかくなっていってしまう。ひぇ~~~誰か止めてくれ!ふむ、この辺でやめておこう。
 
 
僕が編集する『スパイスジャーナルvol.15』(夢のコリアンダー特集)では与那国島レポートをはじめ、自分を含む6人のプロによるレシピを展開。また管理栄養士による保存方法や、大学薬学部の効能調査など幅広く特集を組んだのでこちらもぜひ。

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