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2016.11.07

読書ができるヨロコビ

昔、大人から口を酸っぱくして言われた言葉のひとつに「本を読め」というのがある。

何を隠そう(って隠してもないか)、僕は著述業者でありながら殆ど本を読まない子供だった。というより読めないといったほうが正しいか。

家に帰って一人の時間にトライしてみたりもするのだが、一切頭の中に入ってこないのである。そして1ページも読みきらないうちに眠ってしまうのであった。

これは50歳を越えた今でも体内に癖として残っている。

読書ができない体質であることの原因に気づいたのはかなり遅くて20代後半のことだ。

一言で言うと「ある限定的な恐怖」があったからだ。ナンダその恐怖って!?と突っ込まれそうだが、それについては話すと長くなるので詳しいことはまたの機会にするとして。

とにかくそれが原因で僕は人が怖くて仕方がなく、本なんか読んでいられる状況ではないわけで、つまり人前に立たされる授業は地獄の中の地獄であったというわけだ。

しかし、その「ある限定的な恐怖」の出所が、これまたある人から教えられたときにぱっと霧が晴れたのである。

そのときに実は人一倍人間好きで興味を持つ体質であることも知り、恐怖心が強かった分、人への好奇心も大きく花開いた。

それ以降、人前に出ても緊張はするけども恐怖感がなくなり、バー時代なんかは数十人の前で笑い話やギターを持って歌ったりするようになり、さらにインタビューを得意とするライターへと進化していったのである。

そう、このあたりから本を読めるようになった。

ただ、そのことを知ったとて、ずっとゆとりのない人生の連続で、読書をする時間はなかった。

そんなときに旅を覚えたのである。

それまでもアメリカ旅行に行ったりしていたが当初はやんちゃしに行っているわけで本を読むなんて発想自体がない。

だが、ライターをやりだしてからは不思議なもので、単なる遊びの旅行であっても、近場の国内旅行であっても、その旅先や途中の何かに興味を持つことが増え、出かける前に限らず旅の途中にも本に自分から目が行くようになったのだ。

やがて紀行、エッセイ、スローフード、宿など「旅」をテーマとした連載仕事も色々といただくようになり、得意技が寄り道であることに気付いた。

そういえば僕は子供の頃から淀川の堤防なんかを寄り道するのが大好きで、同じ場所でもその時々で風のにおいや緑の色合い、足元をうろつく虫の種類などが違うことを楽しんでいたっけ。

取材では一貫して寄り道を欠かさず、そこにある風情を必ずどこかに書くようにした。

こうして自分が書くために寄り道をして、寄り道がしたいがために書いていくうちに、また誰かの本と出会いたくなるのであった。

もちろん仕事であるからして時間的制限もあれば、人との交流に疲れることもあるのだが、頭の中をリフレッシュしたり、旅先にちなんだものならその土地の文化や歴史を深めることが出来るし、そして何よりもその著者の目線や感性を知ることで自分の目線や感性もより豊かになる。

つまり一切しゃべってないのに深いコミュニケーションを得ているのだ。

本とはその質も大事だと思うが、同時に手にする者の出会いよう読みようなのだな、と思う。

それはまるで、俺の(私の)好みの人と出会えないと嘆くのではなく、まずは自分から心を開いてみる、近寄ってみる、というような感覚とよく似ている。

読書は受身のようで実は能動なのだ。

人からの反応を得ることでしか自分を感じられなくなったらちょっとヤバイ。

本当に自分探しをしたいならいい本と出合うこと、つまり出会う機会、読む機会を自分自身で作りだすことがめちゃくちゃいいのではないかと元読書大嫌いの僕は今そう確信している。

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