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2016.11.30

遅ればせ列伝

1997年のことだ。僕は無謀にもスパイス100%自家製粉のチキンカレーランチを実験的に1年ほど営業する。

その時のテーマが次のとおりだ。

・日本人(自分)によるホールスパイスの自家製粉はどこまで可能なのか?
・ブイヨンや調味料に頼らず素材とスパイスと技だけによるカレーの実現。
・この作り方のカレーが普通の日本人の日常にどこまで受け入れられるのか?

当時はインド料理という言葉自体がマイナーもいいところで、「カレーという言葉なら3年に1度用いてやってもいい」などと少なくとも関西の雑誌編集者などからは言われたような時代。

しかもそのカレーは、レストランや洋食屋、スタンド系カレー専門店のカレーなどが主役で、インドやネパール人たちによるそれはマニアックの中のマニアック扱い。

こういう背景があったからこそ、僕は行動に移してみたかったのである。

もちろん当時は今のように日本列島総マニア&総評論家の時代ではない。その上、僕は元々普通の社会の方々に食べもらってなんぼという考えだから、このような本格的なカレーがどこまで受け入れられるのかが一番気になるところだった。

で、結論としてはこれが半分半分。「もっとコクととろみの強いカレーがいい」(つまり和製カレー)、もう半分が「こういうすっきりとしつつ、なんだかわからないけどスパイスが一杯入ったようなカレーのほうが好き」。

技術的な面では、手挽きはルーティーン不可能だが機械を使えばホールの自家製粉は可能ということだった。

なんだか煮え切らないような結果だったが、これを店モデルに落とし込むことには自信があった。なぜなら、それまで色んな店を取材してきて確信があったからである。

実はすでに、街場にはいわゆる本格的なカレーがあちこちにあったのである。

中でもインドなどを何度も旅してきたような達人によるカレーはさすがに個性が強くて衝撃的だった。ただし、それはカレー屋というナリではやっぱり少ない(マニアの中のマニア扱いにされてしまうので)。

喫茶店やバー、時にスナックやライブハウスなどといったスタイルが多かったかもしれない。

また店以外の場面でもけっこう見受けられた。各種のライブイベント。キャンプやピクニックなどのアウトドア。文化人や料理人などによる手造り料理の交流会。あちこちへのケータリングなどは定番だ。

これらの店やスタイルが今残っていたら、みんなすぐに有名になったことは間違いない。

現代はちょっとSNSやインターネットができればどんな店でも瞬時に有名になれるし、誰もがレポーターにもなれる。ちょっと頑張ればすぐに欲しい状況を得られるのだ。ゆえに玉石混交というリスクも背負っているのだが。

とにかく、当時は暗闇の中をただひたすらもがき進むだけで、犠牲にするものさえ残っていないような人がわんさかといた。

その時代(1990年代以前)、すでに本場を彷彿させるような夢のあるカレーがあったことは事実で、これらの影響を受けた者がまた何かをしでかし、そしてまたその影響を受けて次があり、今があることを忘れてはならない。

あんまりこういうことを言うと口うるさいオヤジといわれそうだが、僕もまたその一部なのである。

関西でライターをしこしこと頑張りすぎたせいか、ネタと情報量、という呪縛の中を生きてきた。もっと自分がやってきたトライや冒険、先人が表現してきた素敵な文化を言葉にする場を持ちたかった。

僕はガキの頃にケン坊(健忘)というあだ名があったくらい、ちょっとボーっとしていて集中力がなくてマイペース過ぎる子だった。がゆえに大人になっても、何事も気づくのが遅過ぎるほどに遅い。

こう見えても、今まで努力と辛抱でもって特に料理の「技」を磨き上げることを信条として生きてきた。

でも最近如実に感じるのである。発信力こそが大事だと。その点でやはり東京はだんとつに有利である。ついでに手練手管の巻き込み力もあればなおのこと。それさえあれば技や知恵はこんな時代だからなんぼでも入手可能かと。

まぁしかし、今さら何を言うても遅いね。

この辺でやめさせてもらうわ。ほな。

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