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2017.06.08

ライターと編集者はドライバーとナビゲーターのようなもの

ロケハンって言葉をご存知だろうか?


本当の意味はしらないけど、我々ライターなどが取材先探し、あるいは下見に行く時に使う言葉である。


最近は、ネットやブログ、SNSを軸に動く旧メディア(テレビや雑誌など)が増えていると聞くが、少なくとも僕がやらせてもらっている仕事先はいまだにアナログ構造だ。


まず、どんな企画かってところから始まって、じゃどんな人や店などがあるのかな、写真にこだわるならいいポイントはどこかいな、などと、実際に現場を皆で渡り歩いて調べていくのである。


僕なんかは日常から頭の中に自然と色んな企画が浮かびまくっているので、暇になると結果的にロケハン作業を延々とやってしまう。これは幼少の頃からの習性。


生まれもってのロケハン体質なのである。


そんなだから、雑誌、広告媒体、なんであれ、実はこれこそが一番楽しい。


しばしば編集者やカメラマンなどと共にロケハンに行くこともある。そして、彼らの中にもたまにロケハン体質な者がいたりする。そうなるとさらに倍楽しい。


今一緒に行動している編集者なんかはかなり楽しい。


この間も、日本海近くのある店の周辺を調査してドライブしていたら、見晴らしのよさそうな公園があったので車を停め、外へでたとたん「うわっ~、なにあれ~!」と言って、どたどたと芝生を駆け下りていった。


僕は目的の店の位置や、その背景を感じ取ろうと見晴らしのいい丘の上から遠くを見ていたのだが、彼女はどうやらアスレチックの遊具に目が行ったようで。


ロープに垂らされた直系30センチくらいのボールにつかまり、端っこから勢いをつけて滑るのである。距離は15メートルくらいあるだろうか。がらがらがらと子供のようにはしゃぐ。


この日はまたどういうわけ?というくらい快晴で、そこらへんに花が咲いており、もうそこはドラマのワンシーンのよう。


つられるようにして僕も一緒に遊び写真を撮りまくっては、いつのまにか顔がヘラ~となっていった。


こんな風にただただ楽しいって何年ぶり、いや何十年ぶりだろう、ととても嬉しかった。


しかしだ!これはあくまで仕事。僕たちはその店と人にまつわる背景を感じ取り、少しでもその人のことを理解することがミッションである。


公園は公園で素敵なのだが、それはさておき本題を忘れてはならない。


実は彼女、めちゃめちゃ豆だし感性が豊かだし面白いやつなのだが、軸が瞬時にぶれるのである。というか消える、というかもしかしたら元々ない?


ライターとはラリー(荒野や山岳を走る冒険レース)のドライバーのようなもの。編集者とはナビゲーターのようなもの、とたかだかこの道25年の僕は思っている。


ナビゲーターとは助手席に座って、地図や方角、ペースを管理し、常にドライバーの隣で、突然の質問に応えたり、現在地を伝えたり、時に注意を与えたりする役割のこと。道を間違ったらすぐさま修正の指示を出さなければならないし、ペースが遅ければ具体的にあと何秒追い上げろと声を上げなければならない。


そうやってドライバーはただただ体力と技術でもってその場の壁をクリアしていくのである。


ラリーにおいてドライバーとナビゲーターは常に一心同体でなければレースにならない。2人セットで茨の道を駆けて行くのである。それでドライバーがミスれば事故をするし、ナビゲーターがそっぽを向いていたらコースから外れてしまって、その瞬間に負けが決まる。


ドライバーとナビゲーターが1台の車に乗って、2人が同じ目的に向かってはじめてレーサーというひとつの生命体になるのだ。


う~ん、彼女はすぐに自分を見失ってしまうところが大きな大きな弱点である。それはまるで道に迷ってしまったナビゲーターのようなもの。糸の切れた凧、帆を失った舟である。はっきりと言って、自分のコントロールができないのだ。


公園のあと、取材したいと思っている人とあった。でも、話を聞くばかりで結局こちらがどうしたいかということを表現することはまったくというほどできなかった。


言葉はそれなりに放っているのだが、何にも見えてこないのである。一応カシコそうなんだけど、実は真っ白?という感じ。


で、その空虚を補うために、彼女は尋常ならぬ人たらし能力を身につけている。これはおそらく天性のレベルと思われる。取材をする上においてはとても強い武器になるのだが、使い方を誤るとただの思わせぶりの男たらしでおわる。吉凶紙一重の武器なのだ。


彼女はこの武器でもって、数々の、おそらく特に男たちを魅了しては味方につけてきたのだろうが、本当にいい男はそんなタヌキに騙されるわけがないし、近寄ってこようともしないはず。


この時の対象者は彼女にしたらお父さんみたいな年頃の人で、その上たまたま自己主張の強い性格だったから、色々と気づかって相手にしてくれて、その場はつながったけども、それはそれで本題とはまったく別の方向である。


わざわざ片道3時間をかけて、交通費を払い、数千円の料理代を支払い、ご挨拶ができたといっても、それだけである。


これは長い原稿である。同様の人・店がほかに2軒ある。


それぞれ遠くはないが近くもない。距離があるので、その後の調整は至難である。さらに締め切りが22日という殺人的スケジュール。僕はほかに大きめの仕事を3本並行している。今回ばかりはそちらに差障りが出そうで怖い。


実は彼女と仕事をするのはこれで3,4回目くらいであるが、今まで同様の繰り返しであった。結局彼女は何も出来ていないので、ぜんぶこちらがケツを持ち、決断も下し、取材を終えてから一人で取材しなおしなどという、とてつもない仕事量となる。


編集者とは名ばかりで、実はめちゃくちゃお守が大変な他力本願っ子なのだ。


しかし彼女は悪い子じゃない。なかなかにいいやつだから放っておけない。


なんとかそういう自分に気付いてもらいたいと思って、先日もずばっと言ってやった。が、どうやら彼女は、僕のことを単なる頑固親父としか思っていない様子。ふむ、わかっていないことは確実だ。


僕は今までたいがいの道は歩いてきたつもりであるし、今もその進行形である。編集者、企画担当として動くこともあるし、何人かを束ねてチーム行動となることもある。クライアントと共に制作していく仕事も多く手がけてきている。その上で思う。とりあえず彼女は手強い。学校の勉強はできるのに、戦場(社会の現場)で学ぶ力があまりにも乏しいのだ。


参ったなぁ、逃げたいけど逃げられない。これはきっと、昔悪さした女性たちの恨みが返ってきてるんだろうな、なんて思ってみたり。


たぶん取材当日はカメラマンのアシスタント状態となって、取材をした気になって帰っていくんだろうな。それではますます最終的に僕がけりをつけてやる役回りになるばかり。前例がすべてをモノ語る。


時間もないらしい。そして企画も揺れている、というかよくわからない、というか本当にちゃんと立っているのか?いや、そもそも本当にナビゲーターをやってくれるのか??? これまた前例からして、撮影ごっこでおわるに違いない。


ロケハンはあんなに楽しいんだけどなぁ。何度言っても彼女はたぶん気付けていない。


これほどに、取材・執筆を憂鬱に感じてしまう仕事もそう多くはない。


彼女が成長できるために僕にいったい何ができるんだろう。う~ん、正直になる以外なんも思いつかないや。俺もまだまだやなぁ。

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