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2017.07.18

81歳おふくろのスパイス日誌


おふくろが認知症になってどれくらい経ったか思い出せない。あれれ、僕もうつったか?カミさんにニンチキショウというあだ名をつけたのが10年前。僕までボケるとうちの家族はもう終わりである。

ところで、おふくろが僕のスパイス料理なら食べられると、ボケたなりでもそう言ってくれるのがけっこう嬉しい。

おふくろは片道一時間ほどのところに住んでいる。料理のみならず、家事の際はそのつど通っている。

三ヶ月に一回、一ヶ月に一回、二週間に一回とだんだん増えて、今では一週間に多ければ三回行く。

なかなかたいへんになってきたので、最近は色々と頭を凝らして、我が家で寝泊まりさせるパターンも出てきた。

こうすると僕は何かと活動しやすい。

だって、おふくろの家では毎回残り物がお題目となって、アドリブ料理の連続だから。

得意とかそういう次元ではなく、これはなかなかしんどいものである。

でも自分の家なら、勝手が違ってくる。なにせ素材が多いのだから。

以前はいろんなジャンルをやっていたが、我が家ならますますインド系が増える。

そんな中で今のおふくろが最も好むのがダルだ。

これもまた今まで幾度となくやってきたものだが、一つの公約数みたいなものが見えてきた。

それは豆はクセの少ないムングかマスールであること。水分は多めであること。スパイスはとにかくシンプルで控えめであること。なんでもかんでも足さないこと。

今まで本当に色々な料理をしてきたけど、これが一番飽きがこないし、入れ歯を忘れても平気だし、胃はもたれないし(おふくろは背骨がエスの字型に折れていて、小さくなってしまっているので胃が圧迫されている)、程よい塩気とポタージュ感で食べ応えもある。

スパイス使いについては、僕の勝手な願いで、ターメリックのみか、それを中心とした三種程度。

スパジャーで人気だった近大薬学博士が、ターメリックは認知症に効果のある可能性も否めないといってくれたからである。むろん、それは予防段階での話だし、認知症の治癒薬なんぞ世界のどこにもない。だからこのレシピは祈りが調味料。

でも、実はこのシンプルなダルについては、僕も一番好きな料理である。

仕事柄もあって、まぁ大概のものは食べてきたし、飲食道30余年の間で総数3000をゆうに超える創作レシピがあるけど、その中で感じていることである。

ダルはそのままでもいいし、インドの薄焼きパンであるチャパティと食べるとなおうまい。

おふくろの家の冷凍庫には、常にチャパティを5、6枚入れてある。まぁ僕自身がしょっちゅう作るからだが。

もちろん米とも合うが、意外なところで食パンともよく合うのだ。さらにもっと言えばパンのヘタ(ミミ)が最高である。

ちょっとコシの強いパンならなお。

昨日はパンのヘタと合わせた。おふくろは歯が弱いので、ヘタをちぎってダルに染み込ませてから食べてもらった。

すると普段は時間も居場所もわからないおふくろが、この食感いいね、とか、辛くなくて豆の旨味があるのがいい、とか、生のショウガがきいてるね、とか、ちゃんとその場にアクセスが出来て、まるで常人のようにすらすらと話だすのである。

目下、僕にとっては、大物を釣ることと、このおふくろのナウアクセスが最大の生き甲斐である。

認知症の中でも、食は最後に残る認識とされているが、それにしてもおふくろは自分で言うのもなんだが、さすが僕の母親で、美味しいものにはピーンと来るようで。

あとどれくらい、おふくろのために料理ができるかな。




写真はマスールダルと大根の煮物。そしてパンのミミ!

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