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執筆と料理の秋

昔から秋は食欲とか読書とか言われてきましたが、完全アウトサイド街道を生きてきた僕にはまったく無縁でした。

それどころか、16歳から料理を提供する側になり、20代後半からはものを書く側になってしまい、いやはや人生はやっぱ不思議の連続ですね。

しかもこの10年は家事にも追われるというさらなる不思議な状態に。10代はバイクで駆け抜け、20代は酒と女と博打に…というと引かれそうだからこの辺でやめといて。

それが今のカミさんが大病して以来、ジャンル的には10代から変わってないけど、立ち位置が正反対になりましたね。

もっとも身近な家族であるカミさんのために食事を作り、買い物、送り迎えもセットでやるのが毎日の仕事に。

掃除は半々というか力仕事は僕で、細かいのがカミさんに。ただ、彼女は元々読書の虫で、僕は教科書すら売っちゃうようなアウトサイダーですから、まさか書く仕事なんてするとは誰も思ないわけですが、そんな僕の不器用すぎる文章をカミさんは偉そうに校正の上の校正をしてくるのです。

それって何かというと、通常の編集者はアカや指示を出してくれるものですが、カミさんの場合は、あーつまんない!とか、むつかしい!とか、飽きる!とか、お前それじゃ僕が勤めてた超ガラの悪い、でも澄んだガラスープが自慢の中華屋の超わがまま客と同じじゃないか、と。

アホなこと言うな!となるのですが、お客と同じだと思うとそれこそが一番大事なフィードバックとなるわけで、悲しいかな言われ放題の現場で育て上げられてきた僕としては否が応でも必死になってしまうのです。

で、こんなムカつく生活の中で今度はおふくろが認知症になってしまうのです。

これはもう説明不可能。うちの場合は進行がなかなか早い方のようで、外見的には兄貴の嫁さんと同居なのでよかったね、となりそうなもんですが、実はその逆で、それがもしかしたら原因で認知症になっちゃったんじゃないかと言われるような状況で。

具体的にはおふくろや義姉のプライバシーのために黙っておきますけど、とにかく杓子定規な物の考え方は全く当てはまらない。

医療関係者や介護福祉関係者の友人に相談すると、これは完全に要介護上位レベルだそうで、対策としてはケアマネを変えるのがいい、とアドバイスを受けるも、その権限は僕にはない。

土壇場が続き、自分なりにいろいろ考えました。本当この10年、特にこの2年はますますハードに。何度逃げ出そうかと思ったかわかりません。

でも、元アウトサイダーだから、僕にとっては時と共に内側に、家に、ここでは家族に目を向けて行く運命にあるのだろうなと、思うわけです。

子供の頃、どれだけ憧れても手に入らず、完全に諦めて脳回路から排除した夢の数々。

文頭にあったように、自分の人生は世間と逆だと言うことをすでに悟っているわけですから、今はわかっています気付いています。

今では家事こそが料理研究のための何よりものいい仕事現場になっています。おふくろのための食事もさらに幅を広げて底を深くしてくれています。

言いたい放題のオバハンと、自分の歯が4本しかなく頭がぶっ飛んじゃってるお婆さん。お客は僕に選べないのは当たり前で、その上全く遠慮のない究極の2人が毎日の客。

逃げたら、人生そのものを否定することになってしまう。受け入れざるを得ませんね〜(^_^;)

ここに来て、今年も例に漏れず、著述が多忙になる秋。文才なんてかけらもない僕ですからズズッずっと勉強です。偉そうに若手を引き連れるなんて人生はたぶんこの先もないのでしょうね。

昔は常に人が周りにいて、長い間いろんな人間と共同生活をしてきましたが、今思えばあれほど楽しい時間はなかったな〜なんてね。

今は孤独が仕込みの第一歩みたいな仕事をしちゃってます。孤独がないと著述は難しい。やりたいことやって、食べたいもの食べて、いつも誰かとベタベタしていると、自分を俯瞰してみることはできませんから。

ただ、その俯瞰されたものが人と共有できなければ売れないわけですけど。今はみんながとにかく誰かとベタベタする時代になっていると言う仕事仲間もいます。確かにそんな気配もあるな〜

SNSでいいね!押してないと干されちゃうとか。本当かな?と思うけどどうやら若者の間ではそれがイジメにも繋がっているのだとか。

なんだかよくわかりませんが、そう言う人が増えていくと、そう言うものしか売れなくなっていくのは当然のこと。

でも、まだまだたくさんいると思うんです。まずはちゃんと俯瞰して、推敲と校正を重ねてこそ成し得る、真っ当なノンフィクションといいますか、時に演出もあるでしょう。とにかくプロの作芸に面白みを感じる人が。

ま、僕は世の中や他人を評論する立場にはいませんし、とにかく自分自身のことで精一杯というのが現状。

さて、大きな企画が一本終わって、ちょっと一息つけるようになった今週。来週からまた次の企画に向かって走っていかなければなりません。

読書は今なお苦手ですが、その分お前は書け!食欲の秋だから人のために家族のためにうまいものを作り続けろ!

そんな風に神様から言われてるみたいな。
あぁ〜誰か僕とデートしてくれへんかな〜







9月10月と、

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