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山葵にしびれました!

先日と関西が誇るグルメ雑誌「あまから手帖」3月23日発売(4月号)のロケで山葵農園へ行ってまいりました。

なんと場所は兵庫県!もうすぐそこは日本海っていう北部の神鍋高原入り口にありました。

前々から行きつけのそば屋さんから噂は耳にしていたんです。在来種の保存会や子供達の見学会をやったりお若いのにとても熱心な方という風に。

実際に伺ったら本当に素晴らしい方でした。やっぱ人間は年齢じゃないですね〜(*´꒳`*)

ここの村は十戸と書いてジュウゴと発音するらしいです。その昔10軒の家が集まっていたことからその名がついたとか。

 


水路が張り巡る十戸の村

行った先は『北村わさび』と言います。

約3反(900坪!3000平米!)の広さがあります。めちゃ広いわけじゃないけど、こちらなんと60年間にわたり自家採種してるというから卸金ならぬ筋金入りです。

わさびって実はもうほとんどがバイオなのだとよく聞きます。つまり良品質の細胞を使った人工培養。とても不安定なものなので安定供給するために生まれた技術でもあるわけですが、バイオに頼らずおじいさんの代から三代続けて同じタネを継承しているというのはちょっと聞いたことがない!(・oノ)ノ

もはや文化を守るためといったほうがいいですね。それに北村さんの生き様は自然保護運動にもつながっています。

わさびって神がかってるんですよ、ほんと。その生態は理解できても生息システムまではちょっとやそっとでは作れない。

まずきれいな水じゃないと。でも綺麗なだけでは大きくならない。人間が食べるのはいわゆる根茎(こんけい)という部分で、根じゃなく茎なんですね。だからいくら根が張って葉が伸びようとも根茎が育たないと意味がない。

かつて、天然わさびを求めて料理人さんや山の番人、編集者たちと北陸のある山を探検したことがあるのですが(スパイスジャーナル10)、けっこうあちこちにわさびの葉はありました。(と言ってもそれなりに秘境)

ただ根茎が太く育っているものはまずないんです。その山も乱獲防止のために立ち入りの管理がしっかりされてる山なのに。

これはいつになったら食べれますか?なんて野暮なことを聞くと、「さてはて、それは自然が決めることやから誰にもわからない。もしかしたら来年大きくなってるかもしれないし、あと3年かかるかもしれない」と言われました。

わさびの根茎が育つにはいくつもの奇跡が必要と言います。まず清流であること。次にその水に栄養があること。わさびは水の中の栄養分を吸い上げて育つのです。ミネラルがたっぷり入ってないとダメ。

次に根が生える隙間が必要。わさびの根ってすごいボーボー(笑)根茎の倍くらいのふくらみがあり、ヒゲのように細いです。それほど栄養分を吸い上げないと根茎までは育ってくれない。

そして水温。8〜16度とも~18度とも言われます。まー平均して13度かそれちょい以下でないと。

さらにさらにこの水が流れ続けてないとダメなんです。わさびってデリケートなスパイスだからすぐに腐ったり育つのを止めたりするらしいです。

単なる水たまりではダメ。形状によっては自分の抗菌作用で自ら中毒を起こし、生育を止めるか時に枯れてしまうことも。ね、めっちゃ日本っぽくないですか?

僕なんかが思うのは、あーやっぱり日本は水の国なんだなとつくづく。スパイスで見ていくと面白いんです。世界はどこも油だから。でも日本だけは水。そして世界に代表するスパイスがわさび。いやーまさにココでしょう。

北村さんを取材中、足元に落ちている種の話になりまして、ゴマほどの小さな粒があちこちに落ちていて、よく見ると芽を出しているものもあるんです。

生まれて初めて見ましたよ!わさびの芽。

今まで静岡のわさび農園を取材したことがありましたが、あの時は豪快なワサビ田と調整作業、わさび製品などを見ただけでした。

でも今回は若芽!しかもその辺の足元に。こんな小さなものに感激は特大です。

この村では年間13度平均の水が計測できないほど延々と湧き出ていると言います。あとでネットで調べたら十戸滝というのが農園のすぐ裏側100メートルも行かない場所にあるようで、これこそが兵庫県を代表する水の里なのだそうです。

ましてやこの辺りは数万年前に火山が爆発して溶岩でできた裾野と言います。ようはミネラル分たっぷりの水が溢れまくっているというわけです。

 


あの向こう側に尽きることのない滝が

この万年レベルでの地球の呼吸と言いますか、そう言った我々人間にはどうすることもできない次元の力でもってわさびというスパイスが育つのだと思うともうしびれまくってしょうがないのであります。

その自家採種という伝統と、奇跡の自然を守るために日々働いているのが北村さんです。単なるわさび農家じゃないとビンビン肌に伝わってきます。

最近は同じ水を使って自生クレソンを守る活動もされています。これもまためちゃくちゃおいしかったです。

クレソンの持つ辛味も実はわさびと同じシニグリンという成分。つまり細胞を崩すと酸素に触れ、そこから辛味が出るわけです。

 


北村わさび農園の淵にも自生わさびが。こちらは土に生えている、いわゆる畑ワサビというやつ。種は同じです。

わさびもクレソンもスパイスです。その源が水。水は綺麗な土壌と溶岩石などの条件が揃うことで栄養豊かになります。

その源は火山と雲。まさに地球。わさびは本当にそのことを凝縮して伝えているスパイスだと思います。

最高でした!北村わさび農園という学び舎。みなさんにもぜひ一度行ってもらいたいです。

神鍋高原は年中素晴らしい自然美が溢れている場所です!

ほな!

 


落ちている種から新芽が


わさびの根や葉を綺麗に調整していく北村さん。一本のわさびを何分もかけて手入れしていく。

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