フォト

動画はじめました!

  • 動く!スパイスジャーナル

Recommended book

  • (エッセイ・写真)【THE KURATA PEPPER】 (2019)小学館
  • (拙著)【おいしい&ヘルシー!はじめてのスパイスブック】 (2018) 幻冬舎
  • (拙著)【絶対おいしいスパイスレシピ】(2017)木楽舎
  • (あまから手帖連載ムック)【山海の宿ごはん】(2005年)クリエテ関西
  • (取材)【カレー全書】(2016)柴田書店

SNS

無料ブログはココログ

« 日本が誇るスパイス『大和当帰葉』 | トップページ | あらためてスパイスジャーナル誕生物語をnoteに »

大阪都構想について思うこと

昨日、2回目となる大阪都構想の住民投票が行われ、前回に続き反対多数で、大阪は市のまま継続されることが決まりました。僕の周りの大阪市民大阪府民のみんなが今回の投票について前回以上に高い意識で注目していたように感じます。

現在、吹田市民である僕から見ると、今回の都構想についてまず言えることは、ちょっと大阪(市)よがりだったんじゃないかなということです。

昔から大阪市は、関西の中心、西日本随一の大都市、というイメージが強く、なんでもかんでも大阪市がリードしてきた、という誇りだけが根強く残っていると思うのです。

確かに大阪全体で見ても、長い間、東京に負けるな、追い越せ、やってまえ!的なモチベーションでみんなが頑張ってきたように思います。僕が1991年に上京した際も、新大阪駅で胴上げされて見送られましたが、当時は東京と大阪は今では比較にならないほどの距離感のある別世界の都市で、その東京に負けるな精神もあって、戦ってこい、負けるな、勝利を得て帰ってこい、という潜在意識みたいなものが胴上げという見送り方につながっていたのだと思います。

ま、僕は個人的な事情で2年後に大阪に戻り、飲食店を開業するわけですが、その後ライターとなり毎週のように上京するような生活になっても、多くの大阪の友人から「東京はどうだ?やっぱり大阪は負けてるか?」などといった質問が多く飛んできたものです。

中には、本当は自分がそのような東京コンプレックスをもっていながら、それを隠すために、僕に「いつまでも東京コンプレックスでいたらあかんよ」とえらそうに上から物を言う知人もいたほど、大阪、いや関西全体がねじれ曲がっていました。

少なくとも、同世代の人間の中に、そのようなねじれを起こしている者が多くいるように感じます。

はっきり言えることは、僕は子供の頃から東京コンプレックスのない大阪人でした。こういう大阪人もかなり多くいると思います。両親が静岡県出身ということが大きいと思います。大阪、大阪、と思っている人たちのことをずっと遠くから眺めていた、いわば大阪では蚊帳の外グループです。

なぜそんなに大阪の人は東京を敵にしたがるのか?歴史や経済やいろんな話を聞かされて育ちました。そして確かに特に大正時代から昭和中期くらいまでの間は、東京と匹敵するほどの経済力を育ててきたようです。ただし、それは昭和の高度経済成長期までの話であって、平成以降は別のステージに入っていると思っていました。

よく東京人が勘違いするのです。その基礎にあるのが、大阪は西日本の都という感覚。街を指して東京でいえばどこ?的な質問はまだあるとしても、実際に大阪は西日本の都としての存在感はすでにないように思うのです。むしろ、周辺都市の人たちはもっと冷静で、2000年以降はちょっとうるさい、面倒くさい、などとどちらかというとややネガティブに見ている気さえすることも。

それでも大阪が干されないのは、やっぱり大阪は「人」で持っていると思います。市民府民、大阪の人は本当にいい人が多いのです。街にそれほど力がなくても、借金だらけでも、東京と対向していたのは過去でも、そんなことはまったく関係なく、おおらかで人間臭い人が他の町に比べて圧倒的に多い。

僕は出張が多いほうだと思いますが、他の町から帰ってくるといつもほっとします。それは単に郷里だからではなく、やはり大阪人は圧倒的におおらかで優しい。こまかいことはまぁええやんか。うまいもんでも食べて楽しもう!というなんくるないさ精神がめちゃめちゃ豊か。

この大阪式まぁええやんか精神に今までどれだけ助けられたかわかりません。

そんなフリーダムな大阪人に、今回は非常に神経質で難しい問題を突き付けられたという感じがします。そういった意味では、大阪人もいつまでもゆるゆるではあかん、ちゃんと冷静に勉強して考えていかなあかん、ということを学べたと思います。

昭和の高度経済成長期のピークが1980年代としたら、今回の大阪都構想投票までの約40年をかけて、大阪はすでに東京とは比較にならない規模の都市である、でも他の地方都市とは性質が違う、かといって何でもありではもう通用しない、大阪よがりはやめて冷静に事実をいろいろ知ったうえで一人一人が正しい判断のできる体質にならなければ、とそんな新たなステージに入っているということを受け入れることができたのではないでしょうか。

確かに1990年代後半くらいは、大阪の二重行政がすべてのネックになっている、という意見はあらゆるところで諸先輩から聞かされてきました。これは殆どの大阪人が耳にしてきた大阪人の口癖だと思います。

この言葉の裏には他府県の人にはわかりづらい感覚があるのも事実です。なぜなら大阪と東京が決定的に違うのが、人口分布。東京は都区に全人口の7割が住みますが、大阪はその逆で7割が市外に住んでいます。昔は大阪市がすべての中心でした。でも今は、市内で事業を起こしている人や偉いさん、勤めている人の多くが市外に住んでいるという事実。と同時に府外在住者もかなり多いのが関西の特徴です。

大阪発祥の大企業はあれほど多くあるのに、なぜその殆どは東京に行ってしまったのか?住所やビルは大阪に置いたままというのも多いのです。なので多くの大阪人は、あの企業もこの企業もまだ大阪に本社を置いている、と信じています。が、実態は違う。住所とビルはあっても実際にはそれはテナントと化していたり、実働部隊は殆どが東京に移転していたりします。

東京一極集中の理由は一筋縄ではないと思います。現に僕がお世話になる東京のあるデザイン会社が、何とかして大阪支社を作ろうと試みていたことがあったのですが、あれこれと調べているうちに、大阪は実に難しい状況であることが分かり断念したことがあります。難しい、というのは、東京から見てその環境が脆弱すぎる、という意味です。

早い話が儲からない。やっていけそうにない、ということです。

僕の周囲の上京していった個人、企業にかかわらず、その多くの人間が、「今まで大阪で頑張っていたのは何だったんだろう。東京がこれほどに金や人が無尽蔵にあって楽だったとは」と口にする者も相当数います。そしてそのことは僕も理解できます。

と、このように大阪は、少なくとも僕が知る、この30~40年はとても難しい時期に来ていると思うのですが、僕自身は実は楽観してます。こういうと、今までなら叱られそうだったので言いにくいことでしたが、殆ど無関係というか影響がないというか。ま、それだけ自分が小さな存在だからだと思いますが。

大阪にいる理由は、まずカミさんが東京の生まれ育ちで、東京以外を知らず、大阪という町が外国みたいで面白いからこっちに住みたい、というのが大きいです。その次に、これは結果論ですが、おふくろが兵庫県に住んでいたことも今思うとあります。現在はすでに施設暮らしですが、一年間おふくろと共に暮らすことができたことはとても幸せでした。そしてもう一つ、やっぱり僕は大阪が大好き。そりゃ住めば都と言いますから、今まで住んだ東京や三重も大好きです。ただし、昔の大阪人みたいな、頑ななまでの大阪至上主義とは別物です。

話を戻して大阪都構想について。先述のように、特に大阪市民たちは長い間、実に複雑な心境だったと思います。東京と張り合ってきた誇り、でもそれは昔の話、とはいえ普通の地方都市ではない、メディアが多く、鉄道は関西各所をはり巡り、歴史も深く、観光も多彩。かといってメディアはなんだか説得力に欠けるような気もする、鉄道なら東京ほど乗り入れは充実していないのに料金は高い、歴史は京都や奈良ほどパワフルじゃない、観光と言っても実際はインバウンドで凌いできた、という複雑さ。

でも、今回の都構想投票によって、大きな大きな心の整理につながったのではないかと、そういう意味ではとても大きな成果があったと思います。こんな大きなことは誰にもできなかったでしょう。政治家の方々も大変お疲れ様です。

これを機に、大阪は市府ともに絶対よくなると思います!

« 日本が誇るスパイス『大和当帰葉』 | トップページ | あらためてスパイスジャーナル誕生物語をnoteに »

プライベート」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 日本が誇るスパイス『大和当帰葉』 | トップページ | あらためてスパイスジャーナル誕生物語をnoteに »

club THALI Twitter

  • club THALI Twitter

カテゴリー

  • カワムラケンジニュース
    個人、仕事、メディア、イベントなど、様々なニュースを載せています。
  • レシピ~スパイスの解説
    スパイスの基本、効能、応用。本場の言い伝えや習慣についての話です。
  • レシピ~ヘルシースパイス
    インド人たちが言う「グッド・フォー・ヘルス」なスパイスレシピ集です
  • レシピ~メディア公開分
    テレビや雑誌、ネットなどで広くの方に向けて発信したレシピ集です。
  • レシピ~家族のために
    年配の方から子供さんまで、誰もが楽しめる家庭のスパイスレシピです。
  • プライベートと仕事の区別のない自分自身の時間が僕にとっての旅です。
  • 拙著のこと
    「絶対おいしいスパイスレシピ」(木楽舎)と「おいしい&ヘルシー!はじめてのスパイスレシピ」(幻冬舎)に関するお話し
  • プライベート
    どうでもいいようなよもやま話から暑中見舞い、年賀のご挨拶などなど。

club THALI