日本はすでに共食い段階に入っている?
11月の17~19日の3日間、畑でお世話になってきたスエノブ君が「日本の食 輸出 EXPO」に出展参加するというのでお手伝いに行ってきました。
僕に何ができるのかよくわからなかったのですが、スエノブ君が一杯一杯のようだったので、とにかく行き当たりばったりのサポートに。
場所は大阪南港インテックス。コロナ明けとはまだ言えない状況でしたが、名だたる企業が出展参加しており、日本人が大半だったけど想像以上に動員数が多くてびっくり。
諸外国のバイヤーや商社の方は通訳によるiPad超しに出展参加者と交渉しているのをみて、コロナYellowゾーンであってもなんとかなるもんだなと感心しました。
スエノブ君がエントリーしたものは、世界一辛いとギネスで認定されている唐辛子、キャロライナ―リーパーの粉末、同じものを使ったオリジナル七味、そして僕がレシピ開発を担当した汁なし担々麺「リーパーDEATH麺」の3種です。
多数の方々が足を止めて、好奇心いっぱいで話しかけてくれるもんだから、こちらも必死になってスエノブ君、そして商品3種のプロフィールをアピール。
特に今回はリーパーDEATH麺を売り込もうという作戦だったので、僕も力が入りました。
スエノブ君が出ていたのは「調味料」エリア。とあるスパイスメーカーや昔から愛好している調味料メーカーなどそうそうたる顔ぶれです。
そこで調味料メーカーの方とこんな話になりました。
「今までスパイスはかなり頑張ってきたんですが、やはり他社に圧されて、数年前についに撤退。日本は狭いマーケット、少数のお客を相手にすでに共食い段階に入っていて、お互いのいシェアを奪い合う状況です。そこで、元々調味料メーカーなので、それに集中するようになりました。今までは業務用のイメージが強かったのですが、現在は一般消費者向けの商品開発に力を入れています」
共食い、は出版業界も同じです。きっと同様の他業種も多いことでしょう。日本はすっかりガラパゴス。どうしても昔からの風習で、井の中の蛙の感覚が抜けないのでしょうね。
それで今回の「日本の食輸出EXPO」。海外の方々は日本産、日本製に物凄く興味を持たれていることがとてもよくわかりました。
スエノブ君の唐辛子は元々アメリカのキャロライナ州産です。その種を購入し、大阪北部高槻の山間で、何か月にもわたる土づくりから栽培、管理、特殊過ぎる加工を経てパッケージ化まで、一貫プロダクツを行っています。
完全と言ってもいいくらいのレベルでの無農薬、有機栽培。まもなくオーガニックJAS認定も受けるそうです。
日本の農業事情はとりあえず横に置いておいて、少なくともスエノブ君を含め、多くの日本人農家が現代でも超勤勉なのはすごいことだと思います。その姿勢は高度経済成長期頃までの日本と何ら変わりない、日本古来のDNAだと思います。
この勤勉・誠実さがあるからこそ、世界各国が例えばスエノブ君のキャロライナ―リーパーのようなアメリカ原産品でも、わざわざ日本人から買いたいのだと今回様々な外国人たちの話を聞いていて確信しました。
日本が世界に誇れるのは、日本産であると同時に日本人気質と言ってもいいでしょう。
よく考えてみれば、日本人は同じ国の見知らぬ日本人のことを信用しています。その証拠に食の既製品に対しても何の疑いや抵抗感もない。これは単に危機感がないとか、平和ボケというだけでなく、前提に同国の人間に対して信頼感がしっかりとあるからだと思います。そりゃ日本だって車や電化製品などリコールはしばしばあります。でも、そのこと自体も徹底していて迅速に行動する。そんな国そうそうないのではないでしょうか。
インド人なんてどこで誰が作ったものかわからないものを買うことはまずありません。
もう共食いは終わりにして、世界に出よう、世界に日本の凄さを伝えよう、と思えてくる。そんな元気の出るイベントでした。
今回のイベントは日本初だそうです。コロナによって延期していたようで、満を持しての開催。
大阪を皮切りに東京でも開催されるそうな。基本的にBtoBで、一般消費者を相手にしたものではありませんが、個人の飲食店経営者などもけっこう来場されてました。
今まで通り、真面目で誠実な日本人というもの求めてやまない人々が世界にいる。内ではなく外に向いていこう!そんな勇気をもらえた素晴らしい3日間でした。
僕も頑張ろう~
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