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謹賀新年2022

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いします。

みなさんは昨年どんな一年を過ごされましたか。

僕は毎年何かひとつテーマを決めるのですが、昨年は「畑をする」でした。これが二転三転しながらも本当に実現できました。

最初は亀岡の懇意にしてくださってる蕎麦屋さんのご厚意で、すぐその裏でやろうとして。でも、高槻の若い農家に手入れの仕方などを聞いているうちに、亀岡より高槻のほうが少しでも距離が近いし絶対そのほうがいいとアドバイスを受け高槻で着手。かと思いきや、彼はオーガニックJAS認定を受ける準備があるとのことで、同じ集落の別の場所を紹介してくれて、今はそこでタマネギ(一部小松菜とコリアンダーとミント)栽培を始めています。

さらには同集落のベテラン農家の方がすごく目にかけてくださっていて、その方が借りている畑のうち、20メートルほどの畝を三本やらせてもらえることに。こちらでは、白菜、ミニ人参、ミニ大根、菜の花、青ねぎ、ほうれん草、グリーンピース、うすい豆、を栽培中です。

コロナ禍で3月、仕事が急停止したことをいいことに、今こそ!と思い飛び込んだのでした。

世間では一昨年の夏くらいからかなり深刻な状態だったと思いますが、僕は水面下で全国各地へ出張しては、写真撮影と取材をこなしていました。

こんな状況下でも多忙なのはとてもありがたいことですが、三つ子の魂百までとは本当の話で、10代半ばから30歳ころまで飲食の現場一筋で生きてきた僕はどうしても「行動」しないと腑に落ちない体質なようです。見る聞く、というのもとても大切な行動だし、勉強になることばかりなのですが、僕の脳みそはキャパが小さい?単純?なようで、単に情報として頭に入っているだけで全然イメージがわかないんです。そんな状態なのに、何軒もの店、何人もの人の取材を並行してやるなんて僕にはとてもできない。

そんな仕事の仕方では感動も少ないから、書ける内容も薄っぺらいし、人さまにも大事なことが伝わらない。

昨年一年間は僕にとってまったく無知の新規一年生でした。触るものすべて、起こることすべてが斬新で感動的でした。

そうか、あの人はこういうことを言っていたのか。あの味の秘密はここにあったのか。そういう発見もかなり多かったです。

そんな中で最も感動的だったことの一つに、「米」があります。

よくお米作りは水が大事、みたいなことを聞いていたのですが、その意味がようやく、まだ片りんだけだろうけど分かった気がします。

僕は直接米作りをやっていたわけではないのですが、そのお世話になっていた若い農家や、集落で知り合ったほかの農家、後半からお世話になりだしたベテラン農家さんなどの米作りを、ちょいちょいお手伝いさせてもらったり、日々の作業や稲の状態を見せてもらってきたんです。

土起こしの意味、代掻きとは何か、慣行農法のメリットとデメリット、低農薬の具体的な方法、無農薬の厳しさ、雑草の怖さ、天候は祈りの世界であること、想像以上に水質が大事だということ、稲刈り、天日干しと乾燥機の違い、もみ殻や藁のすごさなどなど、目の当たりにしてきて本当に感動の連続でした。

これはもしかしたら、賢い現代人もやっぱりやらなきゃわからなかいもしれませんよ。というか、やったほうがいい。楽しいから。幸せになれるから。

本気で思います。徴兵制ならぬ徴農制の導入を。できれば小学6年くらいがベターじゃないかな。一年間、過疎化の著しい限界集落などで合宿するとよりいいと思います。いろんな人間と悩みながら手を入れてみる。村の諸先輩から鎌の持ち方から学ぶ。

動物への価値観もがらりと変わると思います。

この2021年の体験の中で、今年2022年の僕のテーマは何か。

それは「米」。

米作りはまだまだ無理です。現在お世話になるベテラン農家ニシダ師匠は「やってみぃ」と言ってくれますが。

昨年、生まれて初めてトラクターに乗ったばかり。代掻きを少しと、4畝ほどの稲刈り後の土起こし、3畝ほどの畑を耕した程度です。

米作りはまず土を起こせないと話にならない。

「米」という言葉には、今年は昨年以上にどなたかの米作りをお手伝いさせていただきたいという思いと、僕なりの「原点回帰」の意味があります。

スパイスでいえば胡椒のようなもので、「米」ってどうしてもあって当たり前、と思ってしまう。そのためいちいち見向きもしない。メディア的にはとてもネタになりにくい世界です。

でも、いちいち有難味を誇張するような記事やテレビも気持ち悪い。何と言いますか、この「米を食べることができる」、なんだったら「よりおいしい米を食べることができる」というのは、実は神がかっている出来事だと思うんです。これほどにラッキーなことはちょっとあり得ないと。

すべての奇跡が重なり合って、その一粒一粒はできていることは間違いないです。これ、たぶん米農家の人は全員共感してくれると思います。

この奇跡が毎年少々の不作や気候不順があってもなんとか継続していることがまた超奇跡!その現実を知れば知るほど、本当にこのお米って神様がどっかから持ってきた?手品みたいにポイッと蒔いた?んじゃないかなと本気でそう思えてくる。

日本は稲づくりから始まった国であり、稲づくりそのものが神道である、という見方もありますね。それ、本当かもですよ。

というわけで今年のテーマは「米」で~す!

さて、今から元旦の晩御飯。集落でとれたお米をいただきます!

 

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