カテゴリー「スパイス料理研究家として」の85件の記事

スパイス料理研究、その他の料理に関するお仕事について

2018年版ニュースページを更新しました

カワムラケンジの2018年版のニュースページを更新しました。

こちらは主にメディアに取り上げていただいた情報を記録しています。今年はラジオが多かったです。

各メディアの方々、お世話になりありがとうございました。来年も少しでも注目していただけたら幸いです。

キッチンを掃除していよいよ自作の食器を




久しぶりに我が家のキッチンを掃除しました。
といっても家そのものでなく、あくまで僕のモノを大掃除しただけなので中掃除。

今までやってきた店やキッチン&オフィス(かつてのスパイス料理研究所)のかなりのモノを人にあげてきたわけですが、それでもまだまだ小さな店くらいなら出来そうなほどモノが溢れています。

そこで取捨選択を生き残ったものとして、自分が焼いたへたっぴな食器があります。

飲食業の道に入ったのが16歳。そして食器に興味を持ち出したのが20歳の頃。最初は食器を飾るインテリアとしての鉄細工から始まり、その道の作家さんの工房に通い出し、次はガラス工芸作家へ。その方は僕が勤める店のワイングラスを作っておられました。

その後はボーンチャイナのプレートにどハマり。ナルミやノリタケは支社のショールームまでなんども通って見惚れたものです。

23歳で生まれて初めて自分の料理のための食器を作りました。当時は高級スポーツクラブのラウンジ運営を委託で請け負っていて数々のヘルシーメニューを開発しまくっておりました。

その中に、茶そばや手作りわらび餅などの膳「竹取物語」なるメニューがあり、その食器もオリジナルに徹したのです。

あれこれ考えて調査を経て、竹細工をすることに。竹そのものも自分たちで収穫します。産地は店からほど近いクラブの会員さんが所有する竹やぶ。

スタッフたちと共に5、6本切ったでしょうか。それを持ち帰り、好みの形に整形していくんですが、ど素人だからそれでは全部割れてしまいます。

竹は硬くて丈夫だけど縦にすぐに割れてしまうので、よくよく乾燥させてから細工しないといけないんですね。

地主の方に説明してあらためて収穫に。いろんな方が教えてくれました。こうしてこれくらいになるまで乾燥させるのだと。

そこで準備ができた竹から細かく切っていきます。これがなかなか硬い。なんとか大中小のパーツを整えます。

やや曲線を持ちつつも長細い形の皿は副菜やデザート用に。幅1センチほどの棒はタコ糸で編んでそばを載せる簾に。細い部分は輪切りにして上部を薄く削ってそば猪口にしました。

素人なりにこれがまたいい感じで実に好評でした。

こんな風に僕は常に食器への思いが料理と同じくらいあるわけですが、2007年には兵庫の陶芸教室まで行って、ターリーというインド料理を載せるプレートやプレート、お椀、小皿などを何度も作成。

教えてくださった方は、下手くそがいい格好したがったものほどダサくなって、下手くそでも素直に焼いたものほど少しずついい味が出てくるものだ、と言うのですがその言葉がようやくわかってきたような気がします。

今回掃除してて、これは捨てられないと思ったことはもちろん、今までも使ってはいたけどあくまで補欠的存在だったものを、これからは最前列にしようという気になりました。

というのも今でもたまに食器は見にいくし、取材でもしばしば注目しているのですが、自分が焼いたものって否が応でも超オリジナルであることに気づきました。

それに何より、陶芸の先生が言うように、捨てずに残してきた自作の食器はどれも実に味わい深いものだと思えてきたのです。

あえて指や手のひらで整形したものばかりで、色は基本的に白色ですが、釉薬をつけてないものもあって、それらは薄茶色。

とはいえスパイスべったりだとやはり染まってしまうので、それも今まで料理を選んできた理由です。が、何枚かはスパイスが染まってしまったものもあり、それはそれでまたいい風合いになっているようにも思えます。

というわけで、今後は遠慮なくスパイス料理にも使っていこうという心意気です。

来月は3回合計20ほどの料理を作成する予定ですが、積極的に自作の食器を使おうと思います。

ウッシッシ〜楽しみです(^ω^)



松阪『八千代』スパイス会を終えて

去る9/28金曜日、行ってまいりました、三重県松阪市へ。

結論から言うと、うん、とても楽しかったです。お客さんも定員満席になったし、八千代さんたちとの交流、新たな出会い、そして懐かしい常連客の方々と再会できたのが嬉しくて。

中には他界されてしまった方もいらしたのですが、それでもこういう機会をいただくことで再会できる人がいるというのは本当に幸せです。

とにかく必死だったあの頃(今も必死だけど!)。なんもわからず、ただがむしゃらに生きていた時期に出会った方々とは、おそらく一生付き合っていけるんでしょうね。

見栄も駆け引きもいらない、ちょっとした家族のような。もしかしたら僕が勝手にそう思っているだけかもしれないけど。

帰りは松阪時代に最もお世話になった方のところへご挨拶に。

本当『THALI』やってきてよかったと思います。まだまだ未熟もいいところだし、色々嫌なこともそれなりにあるけど、この思いが今の自分を支えになっています。






9/28松阪『八千代』スパイスの会に向けて

いよいよ今週となった、松阪城下町の老舗割烹旅館『八千代』さんでの『THALI』イベント。

『THALI』とは、かつてカワムラケンジが松阪でやっていたインド日替わり定食の小さな店の屋号です。

クローズした2001年以降、カフェハンキードゥリーでは何度かイベントを開催してもらっているけど、それ以外では木工作家の阪口君の工房と森林公園でアウトドアイベントをやったくらい。

しかも今回は三重県で名高い、料亭でのイベントときています。まさか我が『THALI』が『八千代』さんで料理会をするとは夢にも思っていませんでした。

これまでイベントに来れなかった方々に来ていただけるチャンスでもあります。とは言え、『THALI』常連大人層の多くの方はSNSなんてやってないか、一応アカウントを持っているだけで使ったことがないような方々ばかり。

僕もすっかりSNSに犯されていて?それ以外の連絡方法に頭が行ってませんでした。で、今回あれこれと昔のアドレスを掘り探り、ようやく見つけ出した何人かの方々に電話を。

やっぱりいいですね電話は。ドキドキして出るかな出るかな(*゚▽゚*)と思ったら出たっー!

うわー声変わってない!お久しぶりです。あれからあーでこーでこうなって…へぇーそうだったんですか!嘘でしょ???

みたいな、もう何から話していいかわからなくて、中学時代に彼女の家に電話した時みたいに不整脈寸前のドキドキまくり。

店を閉めて大阪に戻ってきてからあっという間の17年。長い長い、でも早い早い。

でも、さすがこれだけの時間が経つと、あの当時でじゅうぶん大先輩だった方々はもういいお歳であるわけで。

いいことよりも、悪いこと?つらいこと?寂しこと?の方が圧倒的に多くて、なんだか泣きそうになりました。

あー僕も必死に生きてきたけど、皆さんもめっちゃ必死やったんやろな〜なんて。

大病を患う方が多く、中には再起が難しい方、他界した方も。そんなこんなで両手放しに喜べることばかりじゃないけど、でもね!こうして再会ができる方もいるわけで!

なんだか再会って奇跡のようなもんですね〜
若い時は思ったことないし、会えて当たり前だったし、時には煩わしく思ったりも。

そう言う意味で今回のイベントは、単なる料理会ではないです。もちろんはじめてお会いする方々には、かつての松阪『THALI』のご挨拶となりますし、シンプルに料理を楽しみに来られる方もいらっしゃいます。

それに加えて、僕個人にとってはとても大きな意味を持った会でもあるというわけです。

あの時があったから今がある。これはあの時には思いもつかないことでした。

僕は狙ってスパイス料理研究家になったわけじゃなく、すべてお客さんや友達、料理人、インド人!編集者‼︎ 職種関係なく親愛なる全ての方々によって育てられた1つの結果です。

だから役割として与えられた今ということになります。ちょっと興奮し過ぎて何を書いているのかわからなくなっちゃった。すみません(*゚▽゚*)

とにかく、とにかく、数日前から準備仕込みを始めているのですが、胸が熱くなって仕方がないです。なんだろう?この熱い想いは。

人生はずっと繋がって今があるんですね、としか言いようがない。

今回は変化球なしの、オーソドックスなインド料理ばかり。まかない、家庭料理がコンセプトだった『THALI』から進化した部分も提供する予定です。

ロードサイドのレストランで出てくるような料理も2、3品作ります。

気合いが入り過ぎて、当日はボロボロになるかも💦

不安と喜びがめちゃくちゃ入り交ざってます。



ペパーチキンマサラのベース完了!これはロードサイドレストラン的な一品。



今回はカシミリーチリを使います。色鮮やかさが特徴。日本には入ってきていない希少なスパイスです。インドの仲良し料理人からの頂き物です。



イベントのフライヤー



今回はバスマティライスと日本米の2種を用意します

エッセイ「ミナミとカレー」

ここで言うミナミとは大阪の難波や心斎橋あたりのことであって、人の名前じゃありません。

目下、執筆中のタイトルです。間も無く締め切り。媒体は大阪の老舗グルメ雑誌あまから手帖。

今回はカワムラケンジのエッセイという個人目線ですが、昔からリサーチや校正などが厳しいことで知られる編集部です。

新旧を問わず、あーこれこそ商都であり台所であるミナミらしい店だな、浮ついたものじゃなく個性を確立できている味だな、と思う店を5軒取り上げつつ、ミナミの奥行きや面白味を語っています。

今回あちこちを歩いてみて感じたことは、今や僕のことを知らない若いカレー屋さんが増えていて、そのことがとても功を奏したと思いました。

知らないからこそ、その店の素顔が見れるんですよね、読者のみなさんと同じ目線、関わり方でもって各店を渡り歩くことができたというわけです。

街で偶然耳にしたり、まったく関係ない場所、例えば知人の服屋さんの仕入れ先とか喫茶店とか!そういう場所での口コミはご縁として大事にいただきながら。

本当色々勉強になりました。今の大阪の原寸大を肌で理解できました。つまりデマや洗脳?仕掛け?みたいなものも(笑)

怖いですね、イメージ操作というものは。何が事実で、実際にお客たちは何を感じているのか。これは渦中にいるとなかなかわからないものです。

ただ一つ思い残すことがあるとするならば、エリアがあらかじめ決められていること。

今回の対象となる圏内は、北は長堀通りから3本目の筋に出る手前までのブロック。東が東横堀つまり阪神高速道路の筋まで。南がなんばパークス南側筋。西がなにわ筋まで。

筋が違うだけで今回は対象外となったわけですが、これだけちょっと他のご商売が気の毒なほどカレー屋だらけになると、目の前にあったりするわけで。

でもこればかりは仕方がないです。いつでもどんなメディアでも、どこかにルールを作っていく必要がありますから。だからもっとこっちにもあるやん!とか言われそうですがその辺はご理解いただきたいです。

と言いましても、今回は単なる店紹介ではなく、ミナミという街の質を語ろうというのがミッションですから、そこんところを受け取っていただければ嬉しいです。

昭和40年生まれである僕の世代はおそらくミナミの栄華から下り坂を見ている世代だと思います。

それ以前の方は逆に上り坂。そして昭和後期や平成生まれの層はどうなのか?

少なくとも僕らよりかは敷居が低く間口も広いように思っている人が多い感じですね。

まーそんなこんなで、日々スパイスまみれな僕ですが、街のいろんなカレーを食べることができて久しぶりに刺激的でした。

大人がちゃんと普通に行ける、初めてでも魅力的な店を紹介しつつのミナミのエッセイ。現在の本当の大阪のカレーを感じてもらえると思います。

発売は9/23でもうしばしお待ちを。
さて今からもう一軒校正に行かなきゃ。ついでにビリヤニ食べちゃおうっと。

ほなまた。


酷暑を除湿モードで辛みと酸味で乗り越える

連日、酷暑猛暑が続きますね~\(;゚∇゚)/


これだけ暑くなって必ず出てくる話題が、夏に相応しいスパイスはあるのかということ。

僕はいかにも正しそうな教科書みたいな本やネットを見ても、昔からどうしても頭に入らないんですよね。


体育会系だから?身体で覚えるしか理解ができない。


さらに昔からインドやスリランカ、パキスタンなどの酷暑地帯の人間と交友関係が広いので、彼らの言い伝えや習慣もいつのまにか身体の中に記憶として刻み込まれてしまった。


ま、それこそが今夏出た新刊の『おいしい&ヘルシー!はじめてのスパイスレシピ』のバックボーンとなっているわけですが。


そこで酷暑猛暑に最適なスパイスは何かというといくつかあるのですが、昔から相場が決まっているのが辛いもの。


僕は昔から実は辛いものが苦手で。それがですよ、昨年インド・ラージャスターンにホームステイしてから、生れてはじめて辛いものをうまい、いや正確には心地いい、と感じたのであります。


盛夏の始まり、と言われる、4月末から5月上旬にかけていきました。ステイしていた街は通称ブルーシティことジョドプール。


本当にフォート(お城)近くの旧市街の建物の大半が、鮮やかな青色に塗られているんです。


建物の多くは石かセメントでできていて、上からペンキを塗っただけのもの。建物によっては部屋の中も全部青一緒に塗られている。


僕の友人のお婆さんの家がこの旧市街にあり、初日挨拶に伺いましたら、これがなんと日中軽く40℃以上になるのに、扇風機一つしかないんです。


インド人の多くは少しでも明るいと電気を使わないですから、部屋は青薄暗いといいましょうか。そこに薄汚れたシーツのベッドがあって、90歳を超える老婆がずっと寝ているという状況です。これは日本では周囲が大慌てになりそうですね。


しかし、この状況が実は心地いい。まず外はどこかしこもずっとそよ風が吹いている。で、これが涼やかなんです。大阪や京都、名古屋みたいにむわ~っとした地熱じゃない。


そして外は紫外線が強すぎるせいか、室内の日影が真っ暗に近い感覚で、これまた涼しく感じられる。実際、温度計のある家にもお邪魔させてもらったら、外気温と10℃ほども違ってびっくらこきました。


と言っても外が42~3℃で室内が32~3℃という、そんな世界ですけど。でも、単に温度差だけが涼やかなのではなく、この地域は湿度が低いんです。ステイ先である友人宅の湿度計を見ると、だいたい毎日40%以下。70とか80の日本の半分ほどしかないです。


こんな気候環境の中だったからこそ、辛いものがぴたっとはまったんですね。


インド北西部に位置するラージャスターン州の中でも、ジョードプルは砂漠地帯にある都市で、古くからパキスタンや中東との交易で栄えてきた街です。


街のシンボルである、メヘランガール・フォートの一番上から見るとわかりやすい。旧市街の北西部は延々と砂漠が広がり、果てはパキスタンまで続いています。


街場のレストラン、ライトフーズ、デザート、菓子、果物など様々な飲食に触れてみてわかったことは、まずは辛い、オイリー、柑橘、クミンの頻度が高い、甘い、瑞々しい、ということ。


インドの中でもなかなかに辛いほうだと言われます。でも、この辛みが救ってくれる。この辛みは瞬時に汗が出るほど。つまり3秒くらいで頭が涼しくなるんです。湿気がなくて風があるから。


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スパイス卸売市場の一角にある製粉所。ラージャスターンは品質のいいレッドペパーの取扱量がインドの中でも多い。


で、多くの料理にレモンやライム、ケールのアチャールという辛いオイリー酸っぱいの3拍子ぞろった漬物が必ず出てくる。辛すぎると感じたら、酸味を加えて好みに調節するんですね。


辛いものは酸っぱいもので分解できますから。これについては当誌スパイスジャーナルvol.09で近畿大学薬学部薬学博士と共に徹底分析研究しました。


そしてなぜ何でもかんでもオイリーなのか。これには多くの理由があります。一つは水が料理の軸になっていないこと。だいたいどの国でもそうなんですが、この辺りは特にオイルに対する依存が強いと思います。


辛みであれ、クミンであれ、その効果を生かすにはオイルが大事だからです。


辛みは解毒作用があるとも言われるし、クミンは防腐、整腸剤、下痢止めになると言われます。


早い話が夏バテ対策。


さらにさらに、オイリーであるということは身体に潤いを与えます。油断大敵ですから。


僕は昔アメリカ、カリフォルニア州に2週間泊まり込んだ時に、喉を患ったことがありまして。すごく腫れて呼吸困難になっちゃったんです。病院へ行くと、扁桃腺の下あたりに変なウイルスが住み着いてしまったということ。


結局この時は日本にはない強力な抗生物質を出してもらい何とか凌ぎましたが、つまり乾燥状態というのは無数のウィルスが元気になってしまうのだそうです。


湿度の高い日本では、常々カビやダニの心配がありますが、これは湿潤気候だからこそ。カリフォルニアやラージャスターンはウィルスが大敵なんですね。


増してやこの地域などは6月か7月頃から雨季に入るから、ウィルスの次がカビとダニで忙しいというか厳しくてしょうがない。


オイルは潤いだけでなく、スパイスが持つ薬効成分と仲良く同化してくれます。だから単なるオイルではなく薬効いるとなっているわけです。


抗菌と防腐。これが理由なんですね。


いやはや、料理というものはつくづくその土地環境を映し出しています。これはスローフードということになるわけですが、スパイスはやっぱり奥が深い。


昨今の日本のクレイジーな酷暑をスパイス的にはどう乗り切るか。


湿潤気候の国なので、エアコンがバンバンきいた乾燥した店や部屋で、辛くて酸っぱいものを食べ、菜種油などをどっぷりと使い、キュウリで水分とミネラル補給し、できればデザートにマンゴーやココナッツジュース、なければレモンスカッシュなんかを飲むとかなりいいのではないかと思うわけです。


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手前がラボディ(コーンの生地)の煮込み。めちゃオイリーで辛くて酸っぱくてクミンが利いている。左は郷土野菜のグヮルファリーのニンニク炒めでこれまた辛い。チャパティがきれい。ジョードプルのホームステイ先のおっかさん作


ほな、がんばって夏を行きましょう!



スパイスジャーナルvol.09はオンラインショップ『TIRAKITA』でも購入が可能です。

スパイスカクテル

実はカクテルもスパイスをアレンジしていける分野だとかねてからそう思っています。

ま、もともと多くのお酒がスパイスを取り入れて作られています。ビールや蒸留酒、リキュールなど実に幅広いところで。

カクテルとは、素材をアレンジして創るドリンクのこと。

アルコールベースのものもあれば、フルーツベースなどノンアルコールもありますし、素材をミキシングするパターンもあればそのままごっそりと飾り付けるパターンもあります。

また、ファッション性を楽しめるのもカクテルの楽しい部分です。シンプルであっても色合いを工夫しているとか、グラスがユーモラスだとか、時に飲食物以外の飾りをつけることもあります。

カクテルは料理と同じく、基本はあれど独自の創作性が楽しめるゾーンですね。

僕は16歳(1980年代前半)から生ビールを注ぐことと日本酒の表面張力。20歳過ぎ(1980年代半ば)からはペーパードリップの珈琲とフルーツドリンク、ドイツワインを。26歳(1990年代前半)からはウィスキーやカクテルをサーブする仕事をしてきました。

飲食道ざっと足かけ16、7年の中で見えてくるカクテルの大きな魅力に、空間との協調性、ファッション性、お客さんの体調への順応力、というのがあると思っています。

飾り付けや華やかさ、意外性は重要な要素ですが、時としてお客さんは、悪酔いや胃もたれなど体調がすぐれない瞬間もあり、そんなときに対応できるのもカクテルの力だと現場の中でそう感じてきたわけです。

そんな現場の中でこそ培ってきたパターンの一つにジンジャーがありました。当時は薬効的には今ほど深くは理解していません。

どちらかというと口あたりや風味に期待しての利用です。これのヒントになったのはジンジャーエールを手造りしていたり、ウォッカとジンジャーエールのモスコミュールにフレッシュジンジャーを入れるバーがあったこと。

既製品でも十分おいしいのですが、フレッシュを使うとまた別世界の魅力が広がる。その活きた感じはやはりハーブならではのものなんですね。

これにすごく感動して、自分でもいろいろ作りました。

1995年頃でしたでしょうか。当時、東京のFM番組内でカフェカッタリーナ(亀田製菓提供)というコーナーがあって、そこでもスパイスハーブを使ったカクテルをたくさん創出しました。

これらの共通したコンセプトは、すべてリアルから生まれていること。魅せるために、人の注目を集めるために、情報操作するために作ったのではなく、全部お客さんとのやり取りの中で生れた超リアル、スーパーアナログのレシピばかり。

これは料理も同じことで、僕が昔から一貫しているテーマというか、結果的にそうなっちゃってるというか。

そんな現場の生まれ育ちなので、ある意味では保証付きともいえます。そこが普通の料理研究家と違う点かもしれませんね。

スパイスカクテルの提案も、新刊『おいしい&ヘルシー!はじめてのスパイスブック』で提案させていただきました。

現在、幻冬舎plus「はじめてのスパイスブック」お試し電子版でもご覧になれますので、ぜひ一度お立ち寄りください。

ページの後半には「リンゴのスパイスコンフォート」も載せています。これはいろんなやり方がありますが、今回はあくまで家でやれるスパイス生活なので、そのイメージで。

形が崩れかけたところで火を切ってください。よく水分を飛ばしておくことで、日持ちもします。またパンに塗る、ホットサンドにしたりと二次的な使い道が広くなります。

もちろん、形を残して、そのリンゴをストレートにパクパク食べるのもありです。

前者のジンジャーカクテルは欲を言えばメープルシロップ(シュガーも可)がベター。甘みにコクが加わります。

コンフォートは赤ワインやバターがなくても十分おいしいのが作れます。ここもしいて言えば砂糖にこだわりたいところ。好みのいろんな砂糖で試してみてください。たくさん作ってガラス容器などに入れて保存が可能です。

ほなそういうことで。

カワムラケンジの総合的な情報は公式パーソナルサイトをどうぞ!

22 以前「レタスクラブ」でパインヨーグルトカクテルを提案したことも

なぜこの本を書いたのか!?僕の思い

新刊『おいしい&ヘルシー!はじめてのスパイスブック』とはどういうものか?

薬効読本6割のレシピ4割という具合でしょうか。

最近、書店などを見て回っていると、ほとんどは「アジア料理」「インド料理」「カレー」の棚に置いてありますが、ちょいと違います!

前著『絶対おいしいスパイスレシピ』がそのイメージに近かったですが、今回は一言で言うと健康本です。

キーワードとしては以下の感じでしょうか。
 「食生活」 「アーユルヴェーダ」 「伝統医療」 「食と健康」 「健康レシピ」 「生薬」 など。

もし、書店様等で、新しくカテゴリーを作っていただけるなら「スパイス生活」「ヘルシースパイス」「健康スパイス」なんかがありがたいです。

スパイスという文字が前に来ると、どうしてもカレーやインド料理に思われがちですが、それは10%程度です。

インドやカレーの枠に縛られないがために「スパイスブック」という題にしました。どうぞ、そちらに引っ張られないようにお引き立て頂ければ幸いです(◎´∀`)ノ

よろしくお願いします!

さて、今回はこの新刊を3年半もかけて書くに至った理由を述べたいと思います。

6月にも一度、似たような話をさらりとしています。が、今回はもっと食い込んだ話を。とはいえ、朝から4,5時間もかけて、何度もペンを走らせているのですが、どうしても長くなってしまうので省略していくと、やっぱり本書の「まえがき」に行きつくのです。

我ながら、Oh!やっぱり研ぎ澄まして書いただけのことはあるな~(*゚▽゚)ノなんてね。

あえて本書「はじめに」に書かなかった、より深いバックボーンがあるとするならば、それは僕が中学2年の時すでに「食と健康」というテーマをもっていたということです。

14歳の時に親父が急逝したことが、あらゆる意味で人生のすべてを変えました。親父が44歳という若さで死んだのは「仕事のストレスと偏った食事にあった」と、周囲の大人たちはそう言い続けました。

以来、「食と健康」というキーワードが僕の骨の中にまで染み込んでいったのです。

その後20歳を越した頃に2歳年下の従妹が腎臓病を患い、おばさんから腎臓を移植。僕がやる店にも医療関係者や持病を抱えている方がすごく多く、いつしかスパイスによる健康サポート術は僕にとってミッションとなっていきました。

そういう意味で、僕にとって「食と健康」というテーマは人生そのものです。

ということで、ここであらためて「はじめに」をどうぞ。すでに拙著をお持ちの方はヘラヘラと、読んでいない方はグイグイとご一読ください。
 
Simg_1043 気温43℃の中、ココナッツジュースで涼をとるインド人たち(ジョドプールにて)

「Good for health!(グッド・フォー・ヘルス)」

 この言葉をどれだけインドや周辺諸国の人々から耳にしてきたことかわからない。彼らにとってスパイスとは健康に役立つものであることは、あまりにも常識的なことなのだ。

 僕はこの20余年でインドや周辺諸国の人々と食を介してのご縁に恵まれた。その中でも印象的だったのが、彼らが当たり前にその日の気候や自分の体調に応じてスパイスを使い分けることである。大げさな話ではなく、例えばスパイスをそのまま口に含んだり、チャイに入れたりという簡単なことだ。梅雨で蒸し暑い時はグリーンカルダモンを頬張り、胃の調子がいまひとつのときはクミンをお湯で飲み、お腹を壊したら胡椒やクローブを茶葉と共に煮る。もちろん、料理もある。誰かが風邪を引いたら、いつもより唐辛子やシナモンを多く入れ、便秘になればアジョワンやゴマを入れる。これらすべてが「グッド・フォー・ヘルス」なのだ。

 本書は、そんな彼らの日常の中にある「グッド・フォー・ヘルス」をテーマにスパイスの解説やレシピを提案しようというものである。

 僕がスパイスの魅力に目覚めたのは、20歳の頃だった。さらにスパイスによる身体への影響を明確に体感しだしたのは1998年にインド料理食堂「THALI」を開店してからだ。
5坪の小さな屋台のような店で、毎朝8時から深夜2時まで働き尽くめ。そんな生活の中で、僕は咳が止まらなくなったり、急に寒気がしたり、お腹を壊したりするようになっていた。

 そんなときに我が身を助けてくれたのがスパイスだった。僕はインドやパキスタン、スリランカ、ネパール出身の友人が多く、彼らが当たり前のようにスパイスを使った健康法を行っていた。こう言っちゃなんだが、彼らが言うことの9割はアヤシイ。しかし、体調不良が続くなかで、どれだけ怪しかろうが彼らの話を信じてみようとつい魔が差してしまったのだ。彼らの付き合いのよさも功を奏した。普段は胡散臭いくせに、深夜に困って電話をするとあっさりと出てくれる。

 また、毎日のまかないにも助けられた。ほぼ毎食、豆と野菜と漬物とヨーグルトである。これはインドやネパールの友人のまかないやプライベートの食事とほぼ同じだ。最終的にすべて混ぜて食べるのだが、この素朴でありながら刺激的なメニューは飽きがこない。スパイス料理は辛い物ばかりではない。実は身体にやさしく、お腹いっぱい食べても胃腸に堪えないのである。むしろ、ますます食欲がわいてくるほど。お通じもよくなり、体調もすっかり回復した。僕はいつのまにかスパイスによって体質がかわってしまったのだと確信した。

 それから数年後、店を閉めて大阪に戻り、ライターとして活動を始めた僕は、多忙に身をまかせ自炊もままならず、再び体調不良になる日が増えていった。

 そんな矢先である。カミさんが大病を患ったのは。ガンだった。知り合いのアーユルヴェーダや漢方の専門家にも相談した。しかし「ガンだけは治せない。あくまで予防にとどまる」という答えだった。カミさんは長期の入院生活に入り、僕は仕事をすべて止めて共に戦う暮らしとなった。

 結果的に、そのことが人生のリスタートになった。徹底的に食生活を改めることを決めたのだ。幸いにもカミさんの手術や抗がん剤治療もうまくいき、10ヶ月ほどで退院。今では再発もなくすっかり元気になった。

 カミさんの病気をきっかけに、スパイスとは、治療薬や特効薬のように一度の食事で効果を求めるのではなく、塩や醤油のように毎日の料理に調味料として使うことでこそ効果が表れるものだと再認識すると同時に、そのことを人々に伝えたいと思うようになった。

 スパイスは紀元前から人類の必需品としてあり続けてきた。つまりヒトにとって最も身近で簡単な自然由来の生薬であり調味料ということを歴史が証明している。

 今回は僕の手法のみならず、縁のある各国各人のスパイスの使い方も含め、とにかく簡単でおいしくて、身体に効くレシピを、ところによってはスパイスにまつわるお役立ちエピソードも交えつつ提案させていただこうと思う。

 
以上です。

ついこの間、何を間違えてか、ターメリックが、カレーが認知症を治す!なんて巨大なデタラメが、またもやネット暴走族により広がっていると聞きました。が、そんなわけないだろ!だったらノーベル平和賞ものですよ。

僕がスパジャー本誌やSNSでお伝えしてきたのは、あくまで「ターメリックが認知症予防に効果がある可能性を秘めている」という話です。

まぁ万が一と思って、僕はしばしばスパイスを認知症の母親のために使っているのは事実ですが。

日本人はどうしても過大評価と過小評価を繰り返してしまいます。ショウガが身体にいいと聞いたらそればかり、みたいな。違いますよ、ご注意ください。何事もバランスですから。

本書にはモノによって上限量も記載しています。それはあくまで薬剤師から聞いた量です。スパイスはもっともっと広い世界ですから、もしかしたら記載していないモノの中にも上限の必要のあるものがあるかもしれません。

過信せず、勝手な判断をせず、事実を一つの要素として受容しながら、自分の暮らしの中に上手に取り込んでいってください。

スパイス命じゃない。主役ではないです。
By Spice であり、With Spice ということを、ずっと昔から僕は言い続けてきました。それがわかってくると、これほどに有難い&楽しい第二の調味料はないと思うのです。
 

「#カワムラケンジ #kenjikawamura #はじめてのスパイスブック #おいしいヘルシーはじめてのスパイスブック #スパイス生活 #goodforhelth #スパイスジャーナル #spicejournal #幻冬舎」でよろしくね!

スパジャー取扱店情報(拙著含む)更新!

地震、大雨、そしてこの酷暑はきつい(;´▽`A``

豪雨被災地のみなさんのご苦労を思うと胸が痛みます。どうぞお気を付けて。

本日、超久々にスパジャー取扱店情報を更新しました。

今回は、新刊「おいしい&ヘルシー!はじめてのスパイスブック」と、クラブターリーのスパイスキットも含めて発信しています。

先ほどツイッターに情報をアップデートしたのですが、どうやらスマホでは見られないようで、取り急ぎこのダイアリー?日誌?にリンクを張っておきます。

暑い中ではありますが、ぜひ、取扱頂いている書店や飲食店へもおでかけください!

よろしくおねがいします!

withスパイス料理ツアーまもなく

今週からスパイスを持って各所をくるくる巡りますrun

まー普段もあちこちで料理しまくっているわけですが、今回は幻冬舎からの新刊のキャンペーンということで、広くの方々とお会いできるかもしれない点が非日常的な喜びでやんす。

ざざっと分かるものを列記してみますとこんな感じー。

6/28 木曜 @カフェハンキードゥリー(三重県松阪市)で「ターリー」のランチ。11時頃から? 45食限定。テイクアウトもあり!本日25日も仕込みで奔走中!

7/4 木曜 9:13〜9:20 sbsラジオ「IPPO」
こちらはスパイスのお話

7/5 金曜 @月の庭(三重県亀山市)で「ノンベジスパイス料理教室」。新刊に出て来る、鷄と万願寺のガラムマサラ炒めなど数品。現在キャンセル待ち中。

7/5 土曜 @星月夜(愛知県犬山市)で「ベジ(ノンラクト)スパイス料理コラボディナー」。新刊、前著、そして最新アレンジ。

7/13 金曜 20:00〜20:55 e-radio FM滋賀 Friday Relaxing Space “Go!Go!”出演
スパイスのお話とことんさせていただきます

7/15 日曜 15:00〜16:00 @丸善&ジュンク堂書店 那覇店 にてトークイベント
スパイスの話あれこれ

とまぁこんな感じですが、ん?遠方ばっかりやんって。まーそう言わずに。

いかがです?オキナワで、海パン、ビーサン、スパイスというのは???

いつかどこかでお会いしましょうねー╰(*´︶`*)╯

Good for Helth !

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