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カテゴリー「ライターとして、料理人として」の記事

スローフード、そば、食紀行、旅、人などが得意テーマ。また料理人の端くれとしても

2017.11.03

第何回目?SJ写真展は「火」がテーマwith『SOL』

昨夜、石橋のインド料理『SOL』へ写真展の準備に行ってきた。

いつぶりの更新だろうか、何度目になるのかも覚えてないな~。確か、初っ端がインドのチェンナイで、次がデリーやアフマダーバードの各地?

その次が沖縄だったかな。スパイスジャーナル本誌のアドベンチャーレポートの順のはずだからそんな感じだと思う。そう考えるとたぶんもう10回くらいやってるか。

今回のテーマは今春にいったラージャスターン州である。特に8日間ホームステイさせていただいたジョードプルが色濃い。

全部で19点だか20点を飾っている。メインはインドの友人のお気に入りのサモサ専門店である。

インド人職人の目線もさることながら、その火力に注目してもらいたい。あのエネルギー源はなんなのか?!

やはりプロの料理人は同じことを思うようで、『SOL』店主の吉田さんも同じ疑問を持った。

インドの職人のほとんどは独自の考えや技というものが蓄積されていて、今やガスが発達しているエリアであっても火の質にこだわる者は数多い。

これは昔から気になる大きなポイントなのであるが、地域、扱う素材、商売のスタイル、料理のタイプなどによっても大きく変わる。

同じ炭でも何種類かあり、それが直熱なのか、遠火なのか、保温なのか、水分の加減はどうか、などとコントロールしたい方向性によって変動する。

この写真にある店では、おそらく薪ではないかと思うのだ。木の種類まではわからないが、その場の匂いや、火の立ち上がり方がそれっぽい。

わからない。もしかしたら炭との混合の可能性もあるし、ガスとの併用もありうる。

この店に置いての大事なことは、客の多さ、回転の速さからして、大量の油に対する加熱スピードもあるはずで、そうなると鍋の大きさや形状、素材の質、鍋場そのものの造りなども大きく影響する。

この、火に対する質と形と加減の全体を、感性と技術でもってコントロールできるのが「火の職人」である所の理由だが、そのことこそが『SOL』との大きな共通点だと思い、この一枚を今回のメインカットとさせていただいた。

ほか、ロティ職人のカットもあり、そちらは同じ火でも巨大な鉄板をもってして蒸気に包まれているシーンである。

ロティとはインドなどにあるパンの総称。写真は、その中でも、野菜を混ぜ込んだり、油をたっぷりと含めたパラタという種類のものを得意とする店だ。

今回は北西部であり、同じロティでもこのパラタが好まれるエリア。夏は気温50度を超すこともしばしばで、なおかつ湿度が10%以下というところなので、何事もちょっと辛い、というかめちゃ辛い物も多い。

こちらはデリーから南へ外れた、今最もイケてる?グルガオンの一角、ラージャスターン方面へ向かうロードサイド沿いにある。

早朝5時というのにばりばり営業中で、長距離バスを待つ客であふれかえっていた。当の僕たちもこのパラタを朝食とした。

全粒粉、そしてミルクのような濃厚なコクと、チリのぴりっ。アルパラタ(ジャガイモ入りのパン)ということもあって1センチほどの厚みがあって、直径30センチはあろうかという、同じパラタでも日本ではあまり見かけないボリューム感である。

鉄板から立ち上る蒸気の秘密はバターであってギーではない。職人は焼きながら、ちゅるーと周囲にバターを垂らして、パラタをこすりつけたかと思うと逆さに返してまた同じようにちゅるるー。

いったい何度返すねん?と思うほど繰り返しているうちに蒸気だらけになって、周囲も濃厚な香りにまみれて、やや焦げかけたところでハイ出来上がり。カロリー計算はご法度だ(笑)

でも、このたかがパラタ一枚の中に、ラージャスターン方面の文化がいっぱい凝縮されているのである。

その他、ジョードプルの別名ブルーシティの俯瞰、どれだけ切るねん?的なフルーツ職人、気温45度の下で遊ぶ農家の子供たち、スパイス地方卸売市場の風景、メースの袋を逆さに持つ問屋のスタッフ、ナツメグ多めのインディアムスリム向けのホールガラムマサラ、50キロ先はもうパキスタンの砂漠、などなど。

火の職人、火の国のラージャスターン特集。火がものをいうナンやチキンを食べながら鑑賞してもらえると、スパイスジャーナルとしては嬉しいなぁ。

ちなみに写真があるのは、メインカットがカウンターの真ん中あたりに。それ以外のがその両脇に何枚か。奥の窓際の席にも3枚、手洗い(トイレじゃない方)の柱に1枚飾ってある。

ほなまた!

Bluecity

『SOL』
大阪府箕面市瀬川5-2-17 オオトリビル1F
阪急宝塚線「石橋」駅から徒歩10分
R171西行き(旧道にて石橋阪大下交差点方面)の左手にあり
(隣が焼鳥の大吉。店の先100mほどのところに有料Pあり)
11:30~15:00くらい
18:00~20:00くらい
月・火曜定休(たまに不定休)
*電話は携帯を公開しているけどまずでない(笑)

2017.10.31

パクチー祭りと三重の虹

おふくろが通う眼科のウェイティングが長いので今のうちにブログを書いちゃOh!

去る29日の日曜日、三重県亀山であったパクチー祭りは実に楽しかった。

一時は台風直撃で開催が危ぶまれたが、主宰の岡田佳織さんが「台風でもゴー。午後3時までに変更!」と鶴の一声で決行。

僕は今は店を持ってないので、仕込みは丸々100パーイベント仕様。何が何でもやるのだ精神でドキドキのワクワク状態だった。

何を作ったかと言うと…もしかしたら今参加者の中で最も普通?かもしれない、サモサとサラダ。

でもパクチー祭りというのだから、そこんとこはこっそりととことん意識を持ってのアーレンジ。

まずサモサだがそのソースにおいて、多くの場合、特にイベントではケチャップかせいぜいそこに辛いもんをちびっと入れたもの出すものだ。もちろんグリーンチャトニがあったとしても、それはミントや輸入物だったり。

いや、それはそれでバッチリ美味しいわけであるが、早い話がコリアンダーチャトニ(パクチーソース)はコストも高けりゃ仕入れも不安定で、おまけに日持ちしないといった、日本ではなかなか商業ベースに乗せにくいものなのである。

というわけで色々策を講じた。

まず、直前日にフレッシュコリアンダーをどう入手するのか?これはフレッシュ命なので頼りないヘナヘナではもったいない。かといって1キロの元気なコリアンダーはないわけじゃないだろうけど、店をやってないとそのルートにありつきにくい。

そこで大阪のパクチー専門レストランGoGoパクチーに相談してみると、なんと在庫をわけていただけるというのでラッキーだった!

オーナーシェフたぶち氏と久々の再会。お忙しいのにパクチー談義で山盛り開花。心身共に香りが滲みたところで家に帰り一気に仕込みへ。

そしてコリアンダーチャトニを通常の倍量、器に入れて準備万端。サラダについても前夜に仕込んで、当日の早朝に器にセット。こちらも鮮度が命なのでへなちょこコリアンダーではもったいない。

今回のサラダは自家栽培と常食の都ヨナグニ風である。鰹節とポン酢、ダシ代わりのツナが決め手だ。これさえあれば与那国島民の如し丼でパクパクいける。なのでそんじょそこいらのデパートに出しても恥ずかしくないくらいの爽やかグリーン感と量である。

こうしてガッツリと球を込めて、車に乗って三重県へ。

台風と聞いていたが、雨にはあわないし、ちょっと風が強い程度でどうってことないズラ^ ^

が、僕が会場に着いたのは10時過ぎ。多くはすでに準備万端で、お客の姿もちらほらと。

で、必死のパッチで準備していたら、昔の常連客は来てくれちゃうし、キラキラ笑顔で目の前に座ってくれる女性はいるし、最近は80オーバーの超熟シニアまみれでしんなり状態だった僕はもう最高峰の絶好調になってしまって。

何を話しているのか何をやっているのか、挙げ句の果てに何を売ろうとしていたのか、おまけにいくらだったかも思う暇さえないというか、まー頭の中がヘラヘラ一色の空っぽカラカラ。

どうやらお客さんたちも3時までってので急いで来ている模様。が、それにしてもこの賑やかさはスゴイ!

気がつけば、催眠術にかけられたように、スパイスの薬効や使い方を延々と話し続けていて、完全にもう一人の自分が僕を占拠してしまった。

だって、いろんな人がこれでもか!ってくらいグイグイと聞きたいこと聞いてくるものだから。そんなの料理教室でも話すことあらへんレベル。

で、これが不思議なことに、喉は強い方じゃないのに、スパイスの話になると声が枯れることはないから困る。こんだけ質問にこたえて自分一個も買わへんかったら怒るでしかし。

と思ったら、目の前のスパイスをごっそりと買ってくれたり。

でもね、今回の商品はサモサとサラダだけが僕の売り上げで、本やスパイスキット、スパイス各種はどれも他社の委託品。言わば僕はアンテナなのである。

夕刻、どうやら後片付けも僕がビリだった模様。岡田佳織さんや他の面々と外に出たら、なんとなんと虹がばこーっでてるやないの。

こんなに色の濃い鮮明な虹を見るのは初めてだ。さらにぼーっと見ていたら、信じ難いことに今度は虹が3つになった。ほんまかいな⁈

これこそほんまの三重の虹やんか。

それにしてもこの天候の中、決して便利な場所じゃなく、広大な会場でもないのに、あれだけの大勢の人がやってくるのには驚いた。

そりゃどこかの広場でやる巨大イベントとは桁が違う。しかし、その人口密度の高さ、屈託のない笑顔の率は限りなく10割に近い。

また、そこには写真や情報に忙しい人や、我こそは的なオラオラ人種も皆無。地位も名声も徒党も不要。実に安心感があって居心地がいいのである。

その空気感と集まる人々の質に、ただただ岡田佳織さんの人柄がうかがえるのであった。

有難い一日だった。

さて、夢から覚めて現実に戻る。
おいおい、病院についてもう3時間半になるのに、まだ検査しかしてないぞ!診察はまだかいな。

1時を過ぎて腹が鳴く。これが終わっても、次は買い物、その後家へ送ってご飯の支度と掃除。そして今日も方程式のない認知症。

三重の虹を胸に。

2017.10.21

続いて29日(日)は「パクチー祭り」に参加!

処は三重県亀山市。

伝説の店『月の庭』で開催です。
サイトを見たら「魔女」という言葉も書いてあったので、
たぶん僕はすぐに操られると思います(笑)

実はまだメニューを決めてませんで。先からずっと考えていたのですが、できればベジサモサ+コリアンダーチャトニ(あえて王道)と、沖縄大原農園産が入荷可能ならミニサラダでもと思っています。大原さんへはいま確認中ですが、台風でそれどころじゃないですね。ご無事をお祈りします!

ほか、インドコラボ(例のテキトーな仕上がりのやつ。中身はバッチリ)のNewスパイスキット、木楽舎コラボのスリランカ産スパイスキット、拙著各種などももっていきます!

お近くの方、お時間の許す方、お待ちしております。

朝10時ころからお昼過ぎでいったん区切って?夜もやるみたい。なくなったら御免やす!

http://d.hatena.ne.jp/tukinoniwa/touch/20171017/p1

2017.10.17

イベントを終えて

高槻 食の文化祭、無事に終了。たくさんの方々にお越しいただき、誠にありがとうございました!❗️

お会いできてとても楽しかったです。

おまけに隣のネイル屋さんからお茶とサンドイッチいただき倍嬉しい。

今朝起きた時に、あれれ風邪を引いたか、と思ったら、昨日喋りまくりで喉が痛かったようです。

が、2日目は雨天であいにくのディスコンテニュー。
というわけで、片付けてから、コラボのオーガニックファームhara君と喫茶店で今度はひたすら唐辛子談義。実は辛みに弱い二人ですが話は熱く盛り上がりました。

打上げはなんとかして行きたかったけど、カミさんが体調壊していて断念。 でも僕は昨日の1日でじゅうぶん元気をいただきましたから心は晴れやかざんすよ。
明日からまた頑張ります!

2017.08.30

久しぶりにイベント!14・15 高槻へ

久しぶりにイベントに参加することになった!

スパジャー創刊と同じ年に始まったイベントで何かとご縁があるんだな、これが。確か、初年と二年目(3年目はどうだったっけ?)に参加させてもらった。

ただ、今回は料理ではなく、スパイスショップ&ブック紹介(販売)として出ることに。

これは、高槻の店、あるいは高槻にゆかりのある店?など、とにかく現場ありきのちゃんとした店たちのお祭。

でも、そこにスパイス料理研究家「カワムラケンジ」として、またブック「スパイスジャーナル」として迎えてくれて、めっちゃ嬉しい。

今回は『Spice Journal』の幟をあげて、みなさんをお迎えしたいと思っている。今までのダンボールに手書きのんちゃうよ。ほんまの幟やで!真っ赤な下地にいつものロゴマークね!

商品の内容は次のとおり。

●スパイス各種(たぶん7~8種)

●本邦初公開・初販売のオリジナルスパイスキット各種

(デザイン:インドのガジ氏、スパイス:インポーター『ヴィスワス』、レシピ:カワムラケンジ)

●オリジナルブレンドスパイス各種(1998年レシピのガラムマサラ)

●インドMDH社製ブレンドスパイス各種(たぶん)

●インドMTR社製レトルトカレー(たぶん4種)

●本=スパイスジャーナル各号、絶対おいしいスパイスレシピ(木楽舎)

*もしかしたら木楽舎製のカワムラケンジ監修スパイスキットも販売するかも。

また、久しぶりに、アドリブ調合スパイスキットもやるかも。

これは1990年代から店やどこかの料理イベント、教室などでよくやっていたもので、お客さんの要望を聞きながら、その場でスパイスをブレンドしたりするものだ。

ま、今の時代は、自分でスパイスを調合する人も多くいるだろうから不要かもしれないけど。14(土)に様子を見てから、15(日)にどうするかを決めるというやり方をするかも。

もし、タイミングが合わなかったらごめんやす。

今回は、インドのスパイス商社も協力してくれるとのことで、少量でもリーズナブルな価格で販売できると思う。

もちろん業務用の交渉もつなぐので、飲食業者の方はお気軽に声をかけてくださいな。

今回のイベントの最たる魅力は、庶民の町で庶民による庶民のためのイベントであるということ。

おじいちゃんもおばあちゃんも、ちっちゃな子供も、細かいことはどうでもいいおねえさんも、もちろんこだわり一杯のお兄さんやおっちゃんも、不特定多数の老若男女が集えるところがいいのだ。

だから、どんな玉が飛んでくるかはまったく読めない。同じ趣味の人だけが集う、身内的イベントとは違い、まさにストリートファイター状態なのである。

恒例のライブも同時開催するようである。彼らは長い間、10万人以上を動員する高槻ジャズストリートをやってきている面々だから、きっと最高にハッピーなステージを組んでくれることだろう。

今年はプロレスもやるのかな?ま、詳しいことはまたサイトを見てください。

とにかく、今言えるのはここまで!みんな、高槻へおいでやす!!

2017.08.24

スパジャーのデザイン的コンセプト

さっきパソコンの中を探しものしていたら、懐かしいものと再会した。

我がスパイス専門ミニマガジン『スパイスジャーナル』の、いくつもの表1デザインである。

表1とは表紙のこと。雑誌(書籍も?)は顔で決まる、と編集業界ではよく言われることで、いい顔をしてなければ手にとってもらえないというわけだ。

本が売れるのは、まず存在を知ってもらうことが何より大事で、その次は手に取ってもらうことが大事、云々。

要するに、極端な話、中身よりも何よりも表1が命というわけだ。

で、この命を共に創ってくれたのが、デザイナーN君であった。創刊時、スパイスなんてニッチ過ぎて誰も興味をもってくれないよ、と周囲から言われまくっていた時代に、おっしゃ俺もスパイス世界に一票や!という心意気をもったナイスガイ。

本のコンセプトやテーマ、その後、万が一継続していけた場合(継続は殆ど不可能と思っていた)のコンテンツや構成案などといった編集的な部分をまずしっかりと受け取ってくれた上で、ならこういう感じでどうだと、サンプルをあれこれと構築してくれたのである。

デザインであれ編集であれライティングであれ、この世界には、造りマニアみたいな性格の人が数多くいて、そういう人は総じて人に頭を下げられない唯我独尊、スーパーインテリタイプであることが多い。

その手のタイプは、いかにして自分が凄いか、あるいは相手を納得させるか、などという、つまり説得力を高めるための画策ばかりをしている。

本物のクリエイターとはそんな口八丁手八丁ではなく、依頼主やリーダーの欲しいものをどこまで汲み取れることができるのか、というコミュニケーション能力が最重要なスキルだ。

デザイナーN君は、技術的かつ経験的な部分だけでもそんじょそこいらのデザイナーとは次元が違うのに、多忙な中、何度も何度も僕の話に耳を傾け続けてくれた。

こういう技を誠意というのだろう。

さて、本そのもののコンセプトは、何度も何度も熟考を重ねてきて、もうこれ以上やることはないだろうと思っていたのだが、各段階でしっかりと造りこんでいくと、やっぱり後からまた磨き直しが出てくるものである。

本そのもののコンセプトは以下の通りである。

●内容、付録、体裁、パッケージ、セールスなどすべて、誰もやっていないこと(すでにあったかもしれないが、少なくとも当時の僕らが知る範囲で)をやる。

●どこにも属さない。群れない。一定の人や店、企業等に執着しない。要するにエンロール方式(人を巻き込み多勢化で攻めるやり方)をとらない。

●全コンテンツがスパイスと直接的、間接的、イズム的に深いかかわりがあること。

●スパイスは主役ではなく鍵である。軸は食文化、旅、人間社会、クッキング、身体。

●静ではなく動を誘う。本を読んで納得する時代は終わった。これを見て、自分もやりたい!となってもらえる本作りに徹すること。

●食文化、クッキングについてはインドに固執せず、幅広く見ていく。国境を意識しない本作り。

●誰の後追いや真似も盗用もしない。カワムラの体験から得た技や人の魅力、疑問をテーマとする。仕掛けツールではなく、とことん現場目線(それこそがキッチンに立つ人の目線と思ったから)であること。

●他者(店や企業も含む)の誹謗中傷やネガティブキャンペーンはもちろん、結果的に、間接的に、誰かを侮辱するような言葉や企画は避ける。(100%は無理までも、ベテランクリエイターが数名組むことで、仮に発行日が遅れようとも全員での校正に務めた。だから毎号スタッフ間での熱いバトルがあった)

とまぁこんな感じであった。そしてグラフィックデザインを考えていく中で、どうなっていったかというと、以下のような感じである。(ちょっと専門的過ぎるかもしれないがそのまま記す)

●スパイスのオタク本ではないといえども、判型がA5サイズとあまりにも小さいので(当時はこの手のサイズの本は殆どなかったしデザイン泣かせでもありタブーとさえ言われていた)、メッセージをわかりやすくするために、やっぱりスパイスを主役とする。

●毎号テーマとなるスパイスを選び出し、それを顔とする。

●スパイスは実際のサイズよりも大きく映す。

●英語バイリンガルを優先して、横組みの左綴じとする。

●動の本なので、上品な見返しは不要。表2に挨拶文を入れ、対向にコンテンツを見せ、その次ページからすぐに本編を始める。

●季節感を出さない、頼らない、考えない。なぜならスパイスがそうだから。

●毎号テーマとなるスパイスの簡単な説明を表2またはコンテンツページに入れる。

●発行していくほど、表紙を並べてみたくなるような統一性を意識する。実はアエラをモデルとした!(06号のみコラージュに) 夢はでっかい。

●コンテンツには人情ストーリーが存在するが、表紙は基本的に人情を入れない。

もっと色々とコンセプトを立てていたはずだが、今ぱっと思い出すだけでもこれだけある。

我ながら、判型は小さいが、中身はぎっしりと詰まっていたのではないかと自負している。

もちろん過ぎてみれば、未熟なところもちょいちょいと見えてくる。が、それは万事がそう。

1最後まで悩んだ表1デザイン候補

少なくとも、当時は前代未聞といわれたスパイスというニッチなものに注目すること、またそれをテーマとした本を作ること、さらに出版社ではなく自分たちが手作りする、ということを実際に挑戦したことがとても意義のあることだったなとつくづく思う。この感覚は、なかなか言葉では表現し難いものである。

ま、本当の壁は本が完成してからやってきたわけだが。それも無限に。

何が言いたいかというと、実践と行動は結果がどうであれ素晴らしい経験ができるということだ。

後追い(物真似やパクリ、捏造、他力本願、追随走行など)ではなく、周囲の誰もが反対しても自分がこう思うというものがあったら、ぜひトライすることを勧める!勝利や数以外の何かが手に入る

2017.08.09

震災前のカトマンドゥの写真集を更新

前にネパールの友人と共にカトマンドゥを旅した際の写真集を再整理。

どかーんと写真を増量したので見ておくんなまし。クリックすると画面が大きくなりまする。

カトマンドゥの旅には何かと特別な思いがある。

僕が帰国してから1週間後に大震災があったこともそうだ。

あの時、すぐに友人に連絡を取ると、無事で何よりだったが、旧市街の建物がかなり倒壊してしまったようだった。

我々が歩き倒した、タメルという最も栄えている地区から少し南にいった旧市街はなかなか酷かったらしい。

路地を練り歩き、迫り出した古い建物を見上げながら二人で言っていたのである。

もし、地震なんかあると、これ全部ぶっ潰れちゃうぞ~、と。

すると、本当にそうなっちゃった。

このあたりには、世界遺産の古い宗教施設が多くあり、中でも地域庶民に最も愛されているヒンディー系のセト・マチェンドラナート寺院は思いで深い。

境内にたくさんの物乞いがいて、肌の黄色い僕を見つけるやいなや、だーっと近寄ってきて、銭か食べ物をくれ。友に聞くと、どうやら彼らは本物の物乞いらしく、寺院に供えられる食べ物をあてにして日々集まっているのだという。

確かに、あちこちに置かれているお金には手を出さない。職業乞食ならあっという間だろう。

ということで僕は、ある老人男性にギャラ3ルピーと持っていたミント系の飴で色々写真を撮らせてもらうことにした。
牛の石像をバックに、手を合わせて祈る人々をバックに、その辺にぼてっとしゃがみこむ様とか。そこには、絶望と脱力に染まりきった覚めた目と、俄かでは生れない、野良人ならではの荒れた肌や乾いてもつれた髪の毛が地面に垂れていた。

たぶんこの旅で最高のカットが撮れたに違いない。そう確信していた。

しかし、帰国後、信じがたいことが起こる。ブログでも書いたが、わが家のアホ犬クロが、その3ルピーのスーパーショットの入ったSDカードをくっしゃくしゃに噛み潰してしまったのである。

現代は、データ復旧屋さんというものがあり、腕に自信のありそうなところ何ヶ所かに送ってみるものの、どこも破損が酷くて復旧は不可能という。これはトライするだけでお金を取られるのだが、結局5万円ほどかかった。もう10万円払うと、もっとトライできる、でも復旧の保証はないという、なんだか嘘みたいな誘い文句で誘惑してくる業者もいたが、さすがに総額15万円はちょっと。

それだけ払うならもう一度行ったほうが安い、ということで諦めたのだった。

するとその3日後にあの地震が起こった。

あの寺院はどうなった?他にも巡ったあちこちの寺院は?友に聞くと詳しいことはわからない。でも、かなりやられているはずだと。

あれ以来、ずっと心の奥底に、カトマンドゥの幻がへばりついたままである。

posted by (C)THALI

2017.06.27

スパイス3つで作る、旬のメイクイーンのサブジ

これはもう絶対にオススメであ~る。今この時期にこそ作って食べてもらいた~い。

拙著『絶対おいしいスパイスレシピ』巻頭でも特筆した、スパイス3つでカレーは作れちゃう企画の発展系でもある。

スパイス3つとは、クミン、コリアンダー、ターメリックのこと。

これは言わばインド料理(北インド)の信号機みたいなもの。何が何でもわかっておかないと車やバイクを運転する際、事故を起こしちゃうよ的な当たり前すぎるスパイスである。

な~んだ、そんなのとっくに知ってるよ。いやいや、そんな理論武装のための話じゃない。この3つは人生が1つや2つでは足らないくらい深~~~いスパイスだってこと。

薬学的には、この3つについてはすでに調べつくされまくっていて、世界中が認知しているといっていい。我がスパイスジャーナルでも近畿大学の薬学部をあげて様々な感応検査や分析を行なった。

とにかく、わかればわかるほど凄いスパイス3なのだ。日本の味噌と醤油と出汁みたいなもんかな。

というわけで、今回は季節がらというか、ジャガイモ不足というか、日本人はほとんどがジャガイモであるだろうから、あえてメイクイーンを使ったサブジを提案しよう!

メイクイーンとは同じイモでもジャガイモとは使い道が違うものである。ずっと飲食の現場一筋で生きてきた僕に言わせれば、これはただただ形を崩したくない時に使う芋という感覚がまず強い。

マッシュ、あるいはほくほくさせたい時は男爵などのジャガイモ。歯応えと形、艶をつけたいときはメイクイーン。

しかし、メイクイーンでも溶かしきることを前提として使う場合もあって、そんな時はだいたい食感を狙っている。言葉では言いにくいが、大雑把に言ってジャガイモはざらざら。メイイーンはさらさらといった具合。

さらに芋の癖が薄いというべきか。よく言えばジャガイモは香りが豊か。メイクイーンはさっぱりとしている。

だからどちらがいいという話ではなく、日本のインド料理の場合の多くはジャガイモを使用しているであろうから、あえてメイクイーンでやるのも普段とはまたちょっと違って新鮮やで!という提案である。

誰でもできるので、よし今日こそやったろか!と思う方はぜひぜひ。100キンで売ってるスパイスでも可能。
 
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*レシピや写真の無断転載は固くお断りいたします。
 

●『メイクイーンのサブジ』レシピ

子供や年配の方も安心して食べられる!

・材料(2人分)

メイクイーン 200g *小型3~4個くらい(皮をむいて1~2センチのさいの目切りにし、水に3分ほどつける)

ニンジン   100g *小型1本程度(皮をむいて1~2センチのさいの目切り)

シシトウ   4~5本(ヘタを取って輪切り。なければピーマンでも可)

トマト   ホールトマト カットタイプ100g(フレッシュでも可)

ガーリック 1/2片(粗みじん切り)

塩     3~4g *小さじ2/3~1(出来ればブラックソルトや他の岩塩がよい)

サラダ油  大さじ1

水     1カップ~
 

・スパイス

 ターメリック、クミン、コリアンダー  各小さじ1/2ずつ *合計4.5g
 

・作り方

1.鍋を火にかけてサラダ油、ガーリック、水分を切ったメイクイーン、ニンジンをいれて炒める。

2.メイクイーンに透明感がでてきたら、塩、スパイス3種をいれ、混ぜたら蓋をして蒸すようにして炒める。焦げ付きそうな場合は水を50ccほどいれる。約3分。

3.水を100ccほど加え、さらに3分ほど煮る。

4.メイクイーンに十分に火が通り、全体が馴染んでいたらトマトを加え、2,3分煮る。

5.残りの水をくわえて混ぜる。ここで好みの水分量に合わせる。

6.メイクイーンやニンジンが柔らかくなったらシシトウを混ぜる。

7.塩分を確認したら器に盛り付け出来上がり。生姜のせん切りをトッピングするとなおうまい。

*辛みが欲しければ、仕上げにレッドペパーを適量ふりかけるとパンチ力あり。

2017.06.03

よろしくディレイのインド日誌

何度もいうけど、貧乏暇なしは本当、いや真実である。インドから帰ってきて早1ヶ月近くが経ってしまった。

雑用と言ってしまえばそこまでだが、とにかくやらなければならないことが生きるほどに増えていくのだ。これほど非合理で非能率なものはない。

僕の時間当たり単価はいったいいくらなのか。考えたことは一度もないが、大人になるにつれ、そういう考え方があることを知ってしまって以来、なんとか悲しんでみたいが数学が弱いのでいまだに計算ができていない。ま、いいか。

さて今さらであるが、今回のインドの日誌の一部を抜粋してここに公開しようと思う。

ライブでないと日誌の意味はないといわれそうだけど、いかんせんインドは何事も遅れる国なので、そこんとこは「よろしくディレイ」ってことで。

時系列はむちゃくちゃだけど、全13日間のうちの最後の2日の間に書いた日誌である。日誌だからして校正はナシ!そのまま生原稿を貼っちゃおう。

場所は南インドのチェンナイ郊外。ではどうぞ!
 

『急激な発展を遂げるインドがちと心配』

インド11日目。27から28は移動と観光であったが、29日の夜から6日の朝までの8日間ずっとホームステイ。

あとは、ご親戚の家のご飯をいただき続けてきた。しかも10日間100%ベジ料理。乳製品を含むインドで最もポピュラーなベジスタイルである。ま、僕の場合、日本にいるのと感覚がほとんど一緒であるが。

昨夕チェンナイに入り、先ほど今回の旅で初めての一人飯をいただく。ホテルのブレックファーストはこれで二度目。

1度目はデリー29日の朝だ。こちらは中級やや低めといった感覚であったが、今回は中級~高級一歩手前のクラスである。お湯も出るし、トイレの水洗も馬力がある。

チリと油と乳脂肪がきいたラジャスターンとは打ってかわり、何事も控えめのさらりとした南インドの朝ごはん。

チェンナイから30キロほど離れた町のホテルに泊まっている。ここは7年前にも訪れた場所だが、当時の面影はかろうじて残るものの、近代化が著しく、ぱっと見には田舎町とは思えない。

サンバル、ヴァダ、ウプマ、ココナッツチャトニー、そしてスイカ。ぜんぶおいしかった。南インド典型の食事だ。ドーサは昨晩たべたのでパス。どれもおいしい。日本にあったら流行るだろうな(でもないか)。

ただ昨晩のチャイも等しく、今朝のミルクコーヒーもミルクが濃すぎてちょっとしんどい。ムジーブに言わせると生クリームみたいなものを混ぜてるよ、とか。

まーなにわともあれ、まず確実に今回のインド旅で僕は太った。インド人も巨漢デブ肥満が目立つ。貧困からのバブル経済で一気に贅沢が加速中のよう。

昭和10年生まれのうちの親父も同じようなものだったかもしれない。享年44歳。インド人たちよ、みんな気をつけなはれや。

2017.05.30

仕事の合間で整理に励む

インドから帰って来て以来、必死のパッチ生活が続いている。

その上体重が行く前に戻ってしまったからやっぱり割に合わない。まぁ1キロだけだけど。

増えるということは、まさしく原稿ウィークだからだ。パソコンとにらめっこは本当に身体に悪い。

目もますます悪くなる。このままじゃあかん!と思うほどに夜中に抜け出して、川や海まで走って釣りに行きたくなるわけだが、なんというのか、自然のカンってやつ?がめちゃ衰えているのがものすごくわかる。

あかんあかん、仕事は?パソコンは?自然力を失う狂気のマシンだ。

僕は空の色や風の匂い、海の膨らみ、川の音が聞こえなくなると僕で無くなってしまうのである。

でも貧乏暇なしはもう諦めの宿命で、体重が戻ろうとも、肩が凝ろうとも、目の前の現実を受け入れ続けるほか生きる道はない。

お袋のことは、インド前にいろいろ家族会議を繰り返して、今は少し楽になった。

が、合計2300枚の写真と、今回もまた濃厚すぎるルポルタージュをなんとか整理しなくては。

その割にいつも実りが薄いのも悲しい事実。あぁこういう人生がいつまで続くのか。

と言うわけで、ぼやきながらもまた匍匐前進に戻ります。

今回はネチネチと言うだけの回と言うことで。ほな

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